「書店ゼロ自治体」比率、全国5番目…熊本の書店、生き残り模索

熊本日日新聞 2024年5月4日 05:05
6月末での休業を発表した長崎次郎書店=4月中旬、熊本市中央区(石本智)
6月末での休業を発表した長崎次郎書店=4月中旬、熊本市中央区(石本智)
「書店ゼロ自治体」比率、全国5番目…熊本の書店、生き残り模索

 人口減少やインターネット通販の普及などを背景に書店の数が減り続けている。今年3月時点の出版文化産業振興財団の調査によると、全国1741市区町村のうち、書店が1店舗もない自治体は482と、全体の約4分の1(27・7%)を占める。熊本県では45市町村のうち「書店ゼロ」の自治体は21で、比率は46・7%。沖縄(56・1%)、長野(53・2%)、奈良(51・3%)、福島(47・5%)に続き、5番目に高い割合となっている。

 書店が1店舗あるだけで「無書店予備軍」とも言える市町村を合わせた比率は、熊本県が66・7%。高知(76・5%)、北海道(72・1%)、長野(71・4%)、鳥取(68・4%)、福島(67・8%)に続き、和歌山と並んで6番目に高くなっている。

 経済産業省は、書店を地域文化振興の重要拠点と位置づけ、支援に乗り出す考えを示しているが、具体策はこれからだ。

 熊本県内では今年1月、小国町で唯一の書店が閉店し、今年6月末には、熊本市中央区新町に1874(明治7)年からある老舗書店「長崎次郎書店」も休業することになった。一方、個性を打ち出した小さな本屋が新たに開業する動きもみられる。街の書店はどうなっていくのか。熊本県内の書店事情を追った。(川﨑浩平、山本遼、澤本麻里子、前田晃志)

残り 2520字(全文 3074字)

RECOMMEND

あなたにおすすめ
Recommend by Aritsugi Lab.

KUMANICHI レコメンドについて

「KUMANICHI レコメンド」は、熊本大学大学院の有次正義教授の研究室(以下、熊大有次研)が研究・開発中の記事推薦システムです。単語の類似性だけでなく、文脈の言葉の使われ方などから、より人間の思考に近いメカニズムのシステムを目指しています。

熊本日日新聞社はシステムの検証の場として熊日電子版を提供しています。本システムは研究中のため、関係のない記事が掲出されこともあります。あらかじめご了承ください。リンク先はすべて熊日電子版内のコンテンツです。

本システムは「匿名加工情報」を活用して開発されており、あなたの興味・関心を推測してコンテンツを提示しています。匿名加工情報は、氏名や住所などを削除し、ご本人が特定されないよう法令で定める基準に従い加工した情報です。詳しくは 「匿名加工情報の公表について」のページ をご覧ください。

閉じる
注目コンテンツ
熊本の文化・芸能