<PR>肥後銀行が開発したアプリで「地域のロス」を割安購入 食品の「3分の1ルール」でフードロスに悩む事業者らが出品 びぷれす広場など熊本市中心部で5月に実証実験

熊本日日新聞 2024年5月1日 09:32
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「地域のロス解消事業」の実証実験に参加する洋菓子店「乳菓子屋」の佐藤憲史郎代表
「地域のロス解消事業」の実証実験に参加する洋菓子店「乳菓子屋」の佐藤憲史郎代表
肥後銀行が開発したアプリ「かせする(仮称)」のデモ画面
肥後銀行が開発したアプリ「かせする(仮称)」のデモ画面

 規格外野菜や賞味期限が近い食材、急に予約をキャンセルされて空室となったスポーツ施設や美容室、季節が変わり販売期間が終了した衣類。こうした事情で発生する「地域のロス」を解消したい。肥後銀行は、熊本日日新聞社と連携して、賞味期限が近い食材や販売機会を失った商品を割安で販売する「地域のロス解消事業」の実証実験を5月から始めます。肥後銀行が開発したアプリ「かせする(仮称)」を通じて売買を仲介します。事業者はまだ十分に利用価値のある商品に値段を付けることができ、消費者は安価に商品やサービスを購入できる。そんな持続可能な仕組みを目指しています。

どんなアプリ?

アプリ「かせする(仮称)」で表示される商品一覧のデモ画面
アプリ「かせする(仮称)」で表示される商品一覧のデモ画面

 商品を販売したい事業者は①実験への参加フォームから申し込み②専用サイトにログイン③出品したい商品の写真と名称、価格、在庫数を入力して登録します。

 商品を購入する場合は①無料通信アプリ「LINE」で「かせする」の公式アカウントを友だち登録②トーク画面の下部にある「へるぷ一覧」ボタンをタップ③販売中の商品が並んだウェブサイトに自動で移動④希望の商品と個数を入力⑤クレジットカードで決済します。

 実証実験として販売があるのは5月13日(月)~6月30日(日)。商品は、購入した出品者の店舗で受け取ります。5月14日(火)と6月16日(日)は熊本市中央区上通町のびぷれす広場で、5月24日(金)と6月19日(水)は中央区下通の「スタートアップハブくまもと」で、商品を引き渡すイベントも開きます。各商品ページに受け取り場所と地図が記載されています。

フードロスを削減し、SDGsに取り組みたい

「乳菓子屋」自慢のミルクレープ
「乳菓子屋」自慢のミルクレープ
材料にこだわった「乳菓子屋」のプリンやコーヒーゼリー
材料にこだわった「乳菓子屋」のプリンやコーヒーゼリー

 実証実験は、4月末時点で洋菓子やパン、宝飾、食品メーカーなど計20事業者が出店します。その一つ、洋菓子店の乳菓子屋(熊本市中央区)は5月13日(月)~6月30日(日)まで参加します。

 乳菓子屋の看板商品は、小国町特産のジャージー牛乳を使ったカスタードをふんだんに挟んだ米粉のミルクレープ。フードロスが出ないよう、店頭の売れ行きを見ながら製造しています。

 とはいえ、やむを得ずロスが発生することも。消費期限が短い生菓子は子ども食堂などへの寄付が難しく、従業員が持ち帰っていました。これまで商品の価格を下げて販売することはしていませんでしたが、佐藤憲史郎代表は「フードロス削減というSDGs(持続可能な開発目標)に取り組むことで、地域貢献ができるなら」と参加を決めました。

「地域のロス」を収益化させる

実証実験を企画した肥後銀行経営企画部の永野栄一さん(左)と田中栄光さん
実証実験を企画した肥後銀行経営企画部の永野栄一さん(左)と田中栄光さん

 実証実験は、肥後銀行が新規事業として企画しました。担当する経営企画部の永野栄一さん(48)と田中栄光さん(37)は「地域の信頼と顧客基盤という自社の強みを生かしたい」と語ります。

 永野さんは銀行員として企業の融資を手がける中で、余った在庫の扱いに悩む事業者を見てきました。しかし大量の在庫があれば融資は難しいという判断をせざるを得ず、「金融以外の直接的な解決方法を提案できなかった」と振り返ります。

メーカーを悩ませる食品の「3分の1ルール」

 特に食品は、賞味期限の3分の1を過ぎると小売店舗に納品できないという慣例、いわゆる「3分の1ルール」があります。実験に参加するしょうゆ、みそメーカーのフンドーダイ(熊本市北区)によると、賞味期限が半分以上残っているのに、店頭に並ばないまま廃棄せざるを得ない商品もあるといいます。

 農林水産省は慣例の見直しを呼びかけますが、小売事業者によって対応が異なるのが現状です。こうした地域の事業者が共通して抱える課題をどうにか解消できないか。永野さんらは試行錯誤した結果、アプリを通じてロスの販売機会を提供し、事業者の収益化につなげるという方策にたどり着きました。2人は「地域の事業者が集まれば大きな力になる。開発したアプリは、事業者同士をつなぐツールにしたい」と強調します。

アプリの商品は変わらぬ価値

 フンドーダイは、昨年12月まで熊日などの主催で開かれていた食品ロス削減に取り組む即売会「熊日・ヒノマルECOsマルシェ」に参加し、フードロス削減の意義を購入者に説明してきました。松永千代蔵さん(66)は「マルシェの時と同様、アプリで販売する商品の価値は店頭に並ぶものと変わらない。今回の実験は、お客さんにロスの現状について知ってもらえる良い機会になる」と期待します。

「地域のロス解消事業」実証実験の流れ
「地域のロス解消事業」実証実験の流れ

実証実験の日程と商品を受け取る場所、参加事業者は?

<実証実験A=各店舗で商品を受け取る>

日程

5月13日(月)~6月30日(日) 

参加企業
(五十音順)
【飲食店】
一休本舗(本社工場売店、花立店)
加茂川本店ピッコロメルカート
宝屋パン
乳菓子屋本店
BREADAY
まどパン Desaki 嘉島店
Robe en Sucre
【物販ほか】
有限会社池園
髙栁時計宝飾店
合計 9 社(最大 50 社)
※熊本市内の事業者優先  

<実証実験B=びぷれす広場など熊本市中心部のイベントで受け取る>

日程

5月14日(火)、6月16日(日) 熊本市中央区上通町のびぷれす広場
5月24日(金)、6月19日(水) 中央区下通のスタートアップハブくまもと

参加企業
(五十音順)
【食品製造業】
株式会社アグリック
イケダ食品株式会社
五木食品株式会社
株式会社岩田コーポレーション
株式会社エーコープ熊本
株式会社木村
有限会社三協畜産
重光産業株式会社
株式会社通宝
株式会社フタバ
株式会社フンドーダイ
合計 11 社(最大 20 社)

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