東京エレクトロンの河合利樹社長 TSMC進出、熊本は重要な戦略拠点 半導体市場の持続的成長に対応

半導体市場はこれまでの調整局面から、2024年は本格的な回復が見込まれている。合志市などに生産子会社を持つ国内最大手の半導体製造装置メーカー、東京エレクトロンの河合利樹社長(60)に見通しや九州での事業展開を聞いた。(山本文子)
-半導体製造装置の市場動向をどう見ていますか。
「半導体市場は底を脱した状況だ。製造装置も24年は、世界の前工程の市場が過去最大だった22年と同等の約1千億ドルと予測している。さらに25年は24年比2桁の成長を期待している。25年は人工知能(AI)向けサーバーの成長やコロナ禍で購入したパソコン、スマートフォンの買い替え需要、企業のIT投資活発化が見込まれる」
「中国では半導体の自給率向上に向け、非先端製品への設備投資が活発だ。こうした需要もあり、24年3月期の通期売上高は昨年11月時点の予想を1千億円上方修正し、1兆8300億円と見込んでいる」
-子会社の東京エレクトロン九州(合志市)や宮城県内の拠点などで、新開発棟の建設を進めています。
「九州の新開発棟には430億円を投じる。25年夏の完成に向け工事は順調だ。当社全体で、25年3月期から29年3月期にかけて研究開発費1・5兆円、設備投資は7千億円を予定しており、市場の持続的な成長に対応していく」
残り 495字(全文 1053字)
RECOMMEND
あなたにおすすめPICK UP
注目コンテンツTHEMES
熊本の経済ニュース-
【TSMCインパクト第2部「栄光再び 九州と半導体」②】各県に拠点分散の「九州方式」を サイエンスパークで訪台団一致
熊本日日新聞 -
ゆうちょ銀、熊本県と全45市町村に値上げ要請 公共料金の収納手数料 「事務コスト対応」数十倍の提示も
熊本日日新聞 -
【TSMCインパクト第2部「栄光再び 九州と半導体」①】「パイの奪い合いでなくパイを大きく」…波及効果23兆円、ライバル同士も結束
熊本日日新聞 -
半導体企業トップ「地域の特長生かした拠点を」 サイエンスパーク整備で認識一致 JASM社長ら
熊本日日新聞 -
半導体人材育成へ 産官学金が新協議会 木村知事「オール熊本で」
熊本日日新聞 -
1月の消費者物価指数、熊本市は3・7%上昇 県統計調査課
熊本日日新聞 -
熊本県内の研究者3人に奨励金 自然科学や医療分野 ウェルシーズ財団
熊本日日新聞 -
「やつしろ未来創造塾」 5期生が修了式
熊本日日新聞 -
熊本市の和食店で食中毒 19人が嘔吐や下痢、3日間の営業停止に 熊本市保健所
熊本日日新聞 -
熊本訪問中のマレーシア・ペナン州の首席大臣、木村熊本知事と意見交換 「半導体人材の交流を」
熊本日日新聞
STORY
連載・企画-
移動の足を考える
熊本都市圏の住民の間には、慢性化している交通渋滞への不満が強くあります。台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出などでこの状況に拍車が掛かるとみられる中、「渋滞都市」から抜け出す取り組みが急務。その切り札とみられるのが公共交通機関の活性化です。連載企画「移動の足を考える」では、それぞれの交通機関の現状を紹介し、あるべき姿を模索します。
-
コロッケ「ものまね道」 わたしを語る
ものまね芸人・コロッケさん
熊本市出身。早回しの歌に乗せた形態模写やデフォルメの効いた顔まねでデビューして45年。声帯模写も身に付けてコンサートや座長公演、ドラマなど活躍の場は限りなく、「五木ロボ」といった唯一無二の芸を世に送り続ける“ものまね界のレジェンド”です。その芸の奥義と半生を「ものまね道」と題して語ります。