熊本市中心部の老朽化した建物建て替え促進 市と5金融機関が協定 権利関係の円滑化などへ情報共有

熊本日日新聞 | 2023年9月5日 19:32

中心市街地のビル建て替え促進に向け、協定を結んだ熊本市の大西一史市長(左から3人目)と県内5金融機関のトップ=5日、市役所

 熊本市と熊本県内の5金融機関は5日、中心市街地の老朽化した建物の建て替えを促進する市の「まちなか再生プロジェクト」推進に向けた連携協定を締結した。建て替えを検討する建物所有者らの情報を共有し、近隣の地権者と調整。建て替え促進のネックとなっている権利関係の円滑化などに取り組む。

 5金融機関は肥後銀行、熊本銀行、熊本信用金庫、熊本第一信用金庫、熊本中央信用金庫。市と各金融機関は「建替促進プラットフォーム」を創設し、取引先の事情に詳しい金融機関が間に入り、周辺と一体的な建て替えを考えている建物の所有者と隣接地の地権者をつなぐ。

 市役所であった締結式で、肥後銀行の笠原慶久頭取は「建て替えを加速させるため金融機関が連携して取り組む」、大西一史市長は「金融機関の協力で複雑に入り組んだ権利関係を解消しやすくなる」と期待した。

 まちなか再生プロジェクトは2019年、中心市街地の活性化を目的にスタート。熊本地震で被災した建物の跡地活用や耐震性が低いビルの建て替えを進め、防災機能の強化や公共スペース設置といった取り組みに応じて財政支援や容積率割り増しを認めている。10年間で100件の建て替えを目指しているが、今のところ単独での建て替え9件の認定にとどまっている。(河内正一郎)

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