九州の空港、訪日客回復に差 福岡はコロナ禍前超え、熊本は7割弱 航空会社が主要都市の路線再開を優先
新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んだインバウンド(訪日客)の回復傾向が全国的に鮮明となる中、九州の空港で回復の度合いに差が出ている。航空会社が主要都市への国際線の就航や再開を優先しているためで、福岡の5月の外国人入国者数はコロナ禍前の2019年5月を上回る状況に。一方、熊本は7割弱の水準に回復。長崎など4空港はゼロだ。
今月15日夕、福岡市の福岡空港。中国の春秋航空が新たに就航させた、寧波と結ぶ定期便が初めて到着した。同空港の国際線の新規路線開設は19年7月以来。寧波に住むバリスタの中国人女性(26)は「直行便ができてすごく便利になったので、初めて九州に来た。福岡のカフェ巡りが楽しみ。熊本城も訪れたい」と話した。
同空港では新型コロナの水際対策が緩和された昨年10月以降、国際線の再開や増便が加速。5月の外国人入国者数は20万295人と19年5月の1・3%増で、九州の空港の中でいち早くコロナ前を上回った。6月に入って中国本土と結ぶ路線も再開。現在、22路線ある国際定期便のうち運休は5路線に減った。
運営会社の福岡国際空港は23年度の国際線利用客数を472万人と、過去最高だった18年度の7割弱を見込む。6月に国際線ターミナルビルのラウンジをリニューアルオープン。25年3月には同ビルを増改築して延べ床面積を現在の1・9倍に拡張予定で、同社は「空港スタッフの確保など受け入れ体制を強化したい」とする。
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