赤ちゃんイルカ、今年も元気に登場 熊本・天草市の通詞島沖

熊本日日新聞 | 2023年5月19日 08:36

(天草漁協イルカ調査室提供)
通詞島沖で17日に確認されたミナミハンドウイルカの赤ちゃん(手前)=天草市
通詞島沖で17日に確認されたミナミハンドウイルカの赤ちゃん(右)。母親とみられるイルカに寄り添って元気に泳いでいた=天草市

 天草市五和町の通詞島沖に生息するミナミハンドウイルカの群れに、今年も赤ちゃんイルカが姿を見せ、元気よく跳ねながら泳ぐ様子が見られるようになった。

 天草漁協でイルカ調査を担当する髙﨑ひろみさん(45)によると、通詞島沖には推定200頭前後が生息。春から初夏にかけて出産し、子育て期間は約3年間。例年10頭ほど生まれているとみられ、今年もイルカウオッチングの船長らから3~5頭の赤ちゃんの目撃情報が寄せられている。

通詞島沖で12日に撮影されたミナミハンドウイルカの赤ちゃん。母親イルカ(奥)の背中には、ぶち模様がある=天草市(天草漁協イルカ調査室提供)

 このうち、髙﨑さんが「発見しやすい」と注目するのが、背びれの右側前方の背中に珍しいぶち模様があるイルカ「ぶち」の赤ちゃん。母親の「ぶち」を見つければ、その傍らに大人の体長の半分より小さい、約1メートルの赤ちゃんが寄り添っているという。

 髙﨑さんは「この時期は、イルカの群れが社会生活を営みながら子育てする様子が分かる。命の営み、海の豊かさを感じてほしい」と話している。

 同漁協では市の委託を受け、昨年度から背びれの形で個体識別する調査を進めており、現在130頭を把握している。(平井智子)

通詞島沖で12日に撮影されたミナミハンドウイルカの赤ちゃん。母親イルカ(手前)の背中には、ぶち模様がある=天草市(天草漁協イルカ調査室提供)

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