<くまもと発 安保の現場>ミサイル配備、揺れる石垣島 抑止力強化も「標的になる」不安

熊本日日新聞 2023年4月3日 07:50
石垣駐屯地開設に伴う住民説明会の会場外で抗議の看板を掲げる地元住民ら=3月22日、沖縄県石垣市
石垣駐屯地開設に伴う住民説明会の会場外で抗議の看板を掲げる地元住民ら=3月22日、沖縄県石垣市

 「南西地域の抑止力を高めることで、わが国への攻撃の可能性を低下させる」

 3月22日、沖縄県石垣市の市民会館で、市と防衛省が開いた住民説明会。ミサイル部隊を置く陸上自衛隊石垣駐屯地の開設に関し、防衛省担当者は冒頭20分にわたってその意義や、今後の訓練などについて説明した。

 「駐屯地の機能を強化してほしい」「(駐屯地は)脅威。専守防衛ではない」。その後の質疑応答で、互いの主張をぶつけ合う賛成派と反対派。会場の外では開設に反対する住民数人が、「ミサイル基地NO!」「石垣島を戦場にするな」と抗議の看板や旗を掲げていた。

 「石垣に平和を」と書いたカードを持つ地元女性(85)は「ミサイルがあれば平和を維持できるのか。攻撃対象になる危険性の方が高いのではないか」と不安を口にした。

   ◇    ◇

 冷戦終結後、政府は旧ソ連を仮想敵とした北方重視から転換し、中国の海洋進出をにらんだ「南西シフト」を進めてきた。九州・沖縄が日本防衛の最前線となる中、ミサイル部隊配備に揺れる石垣島を訪ねた。(丁将広)

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