6月30日付

6月30日 07:42

 「オンラインミーティング」の舞台裏を見学させてもらった。ネット上で会議を開き、そのライブ映像を“観客”が視聴する。質問や意見を文字で伝えることも可能。便利なものだ▼ただし大人数が参加するイベントだけに、映像の外ではそれなりのスタッフが動いていた。通信環境を整えたり、マイクを細かく調整したり。後片付けに案外時間がかかる点も通常のイベントと共通する▼官僚が支える首相官邸も、テレビ会議を支障なく進めるのは簡単ではないのか。麻生太郎財務相が「しょっちゅうテレビの音が切れる。非常事態にどうするんだ」と不満を漏らしていた。思いがけなく広がったテレワークやオンライン授業。気のせいかわが家のネット回線も最近つながりが悪いような▼「昔、南阿蘇で“テレワーク合宿”をやりました」。東京の上場企業の課長から聞いたことがある。細川護熙県政の1990年前後、今で言うIT企業の本社やサテライトオフィスの集積を目指した「阿蘇ソフトの村」構想の一環だったそうだ▼「阿蘇はいいところでしたが」バブル崩壊で構想は頓挫。インターネットが普及する前で、東京との連絡が電話とファクス程度だったこともネックになった。テレワークに着目した先見性は良かったが、残念ながら早すぎたようだ▼県が高森町に取得した「ソフトの村」予定地は、30年後の今もほぼ放置されたままという。政治が未来を語り発表する構想は毎度華やかだ。そして後片付けは地味で、時間を要するものである。