「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
金剛株式会社「デジタル時代見据え熊本経済に貢献」代表取締役社長・田中稔彦氏
熊日プレジデント倶楽部─昨年度の業績を教えてください。
田中 熊本地震後に嘉島町に建設した新工場には、年商に匹敵する巨額の設備投資が必要でした。返済負担は毎年重く、最終損益ではずっと赤字が続きました。しかし、その間も社員たちが懸命に頑張ってくれたおかげで業績が好調で、昨年9月の決算ではついに最終損益が黒字になるところまで回復することができました。これまで当社を信頼し、支えていただいたお客さま、地域、金融機関、取引先の皆さまに深く感謝しています。
─この数年間、苦労も多かったのでは。
田中 成長を諦め、地震前の状況に戻すだけなら、このような苦しさはなかったでしょう。しかし、日本経済が停滞した背景にあるのは、挑戦を忘れた製造業だと感じています。目指したのは「創造的復興」です。変化する、進化することに挑んだ社員たちは、「苦しさ」という経験を通して一段と高い意識を持てるようになりました。だからこそシリコンアイランド九州の復活を見据え、デジタル時代への適応にも果敢に挑んでいけると考えています。
─半導体関連企業が数多く進出してきます。
田中 米国のシリコンバレーが半導体産業によってイノベーションを生み、世界を変える役割を果たしました。九州も最先端の半導体を製造するだけでなく、日本や世界をリードする地域として成長するでしょう。ある経済研究者が九州経済は2035年までに5割拡大すると予測しましたが、その中心である熊本の経済は倍増すると私は期待しています。しかし、その前提となるのは半導体が生み出す新技術や新サービスを理解し活用する人材や組織です。企業理念「安心と先進で社会文化に貢献する」会社として、その責務を果たしたいと思います。
─業種問わず、人材確保が課題と言われます。
田中 欧米のように日本も人材の流動化が進んでいます。社会の変化に伴って求められる人材も変わり、流動化を否定することはできません。あるIT企業では、離職者の2割が復帰すると聞きました。待遇や業務に納得できず相当数の離職者があっても、離れてみて自分の役割に気付くそうです。その企業の代表者が「キーワードは企業文化」だと教えてくれました。待遇の違いより働きがいを重視する人が多いという指摘です。当社は成長が始まったばかりで業績の波も覚悟しなくてはなりません。しかし企業として目指すべき姿を忘れず努力し、安定飛行に入った先には「ここで働いていてよかった」と社員が自覚する日が来ると確信しています。
概要
所在地 | 〒860-8508 熊本市西区上熊本3-8-1 【電話】096(355)1111 FAX096(352)0227 |
---|---|
サテライト | 〒860-0047 熊本市西区春日3-15-60 6F |
工場 | 〒861-3107 上益城郡嘉島町大字上仲間八津1825 |
設立 | 昭和26年(創業昭和22年) |
事業内容 | 金属家具、設備の製造販売 |
資本金 | 6,000万円 |
従業員数 | 300人 |
役員 | 代表取締役社長/田中稔彦 常務取締役/高津英文 取締役/永野章、福田成雪 取締役(非常勤)/甲斐俊吾 監査役/柴田智子 相談役/田中浩子 |
支社・支店 | 東京、仙台、金沢、名古屋、大阪、岡山 |
営業所 | 広島、高松、福岡、北九州、大分、佐賀、長崎、熊本、八代、天草、宮崎、鹿児島、沖縄 |
グループ | (株)コンゴー測器、(株)アスカ、(株)谷脇ビル、(株)御免屋、(株)ホテルサンルート熊本、ケーエスエー(株) |
ホームページ | https://www.kongo-corp.co.jp/ |
RECOMMEND
あなたにおすすめPICK UP
注目コンテンツNEWS LIST
熊本のニュース-
同性婚訴訟、熊本市の原告2人「違憲判決を」 12月13日の福岡高裁判決を前に会見
熊本日日新聞 -
福島県知事が木村敬知事を訪問
熊本日日新聞 -
熊本県内、インフルエンザが増加傾向 県感染症情報
熊本日日新聞 -
パソコン遠隔操作で個人情報流出か 県暴力追放センター 相談者延べ2500人分
熊本日日新聞 -
DF長嶋(兵庫・相生学院高)の加入内定 ロアッソ熊本 サッカーJ2
熊本日日新聞 -
熊本城「宇土櫓続櫓」の石垣、復旧に向け解体作業に着手 28年度の積み直し完了目指す
熊本日日新聞 -
山鹿灯籠踊り 24歳〝即戦力〟デビュー 歌と三味線担当の竹中さん
熊本日日新聞 -
県庁マンと大学の先生の〝二刀流〟 熊本県財産経営課長の松尾さん 「学問と実務の架け橋に」
熊本日日新聞 -
自己決定、尊重する社会に 明治大法学部教授・鈴木賢さん
熊本日日新聞 -
菊池一族、朝鮮貿易で内紛 郷土史家・堤さん(菊池市)が論文
熊本日日新聞
STORY
連載・企画-
移動の足を考える
熊本都市圏の住民の間には、慢性化している交通渋滞への不満が強くあります。台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出などでこの状況に拍車が掛かるとみられる中、「渋滞都市」から抜け出す取り組みが急務。その切り札とみられるのが公共交通機関の活性化です。連載企画「移動の足を考える」では、それぞれの交通機関の現状を紹介し、あるべき姿を模索します。
-
学んで得する!お金の話「まね得」
お金に関する知識が生活防衛やより良い生活につながる時代。税金や年金、投資に新NISA、相続や保険などお金に関わる正しい知識を、しっかりした家計管理で安心して生活したい記者と一緒に、楽しく学んでいきましょう。
※次回は「家計管理」。11月25日(月)に更新予定です。