沖縄県民投票 国民全体が考える機会に

2月15日 09:26

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡る沖縄県の県民投票が14日、告示された。「賛成」「反対」「どちらでもない」の三つの選択肢から県民の意思を問うもので、24日に投開票される。

 辺野古移設に争点を絞った投票は、長く沖縄を翻弄[ほんろう]し続けてきた国策への県民の審判と言える。結果に法的拘束力はないが、示される民意に今度こそ政府はしっかりと向き合うべきだ。それとともに、沖縄の米軍基地負担問題について、国民全体が考える機会ともしたい。

 県民投票条例は昨年10月に県議会で成立した。最も多くの票を得た選択肢が投票資格者の4分の1に達したときは、知事は結果を尊重し、首相と米大統領に速やかに通知すると定めている。

 当初、選択肢は賛否の2択だったが、「正確な民意を推し量れない」などとして5市長が不参加を表明。結局、「どちらでもない」も加えた3択に条例を改正し、全県域での実施にこぎつけた。

 辺野古移設を巡っては、昨年9月の県知事選で反対を掲げた玉城デニー氏が過去最多の得票で当選し、民意は既に示されている。にもかかわらず、投票を実施するのは、その民意を誠実に受け止めず、工事を強行している政府の姿勢への重ねての問い掛けと言えるだろう。それとともにその問い掛けは、「本土」に住む私たちにも向けられている。

 沖縄では1996年にも日米地位協定見直しと米軍基地の整理・縮小を問う県民投票が実施された。投票資格者の過半数が協定見直しと基地整理・縮小に「賛成」を投じたが、今でも地位協定は改定されず、在日米軍専用施設の約70%が沖縄に集中している。

 普天間飛行場の返還、移設は、この前回投票の結果も受けて対応策として動きだしたものだが、「沖縄の基地負担軽減」を掲げながら結局、移設先は県内である。米軍基地負担は、日本全体の安全保障政策であるのに、一地方の問題として片付けられてきた。その積み重ねの上での今回の投票であることを理解し、国民全体が当事者として考えるべきだろう。

 普天間飛行場の早期返還のためという辺野古移設の前提も、埋め立て予定海域にある軟弱地盤に対応するための設計変更が浮上し、あやしくなっている。

 政府のこれまでの説明では、辺野古移設の総工費は3500億円以上、埋め立ての工期は5年だった。だが、地盤改良工事が加わると、県の試算によると費用は2兆5500億円、工期も施設完成までに13年かかるという。投票の判断材料とするためにも、政府は工事の正確な情報を説明すべきだ。

 菅義偉官房長官は、14日の会見で投票結果にかかわらず、移設を進める考えを示した。情報を公開せず民意にも耳を傾けない政府の姿勢は、まるで強権国家のようだ。日本の民主主義の在り方を考える上でも、県民投票が投げかけている問いは重い。