風俗案内所規制 安全安心な繁華街の実現を

9月4日 09:15

 熊本市の中心市街地などで風俗店を紹介する案内所に対して、青少年の健全育成や治安面での悪影響を懸念する声が高まっている。県警は14日開会の9月定例県議会に風俗案内所の運営などを規制する条例案を提出。繁華街の健全化に乗り出す。

 同様の条例は2006年2月施行の大阪府を皮切りに、東京、福岡など9都府県で既に導入されている。他県の例も参考にしっかりと議論を進めてもらいたい。

 熊本市の中心繁華街では最近、刺激的な格好をしたホステスの写真や派手な電飾パネルなどを掲げ、風俗店を紹介する案内所が目立つようになった。

 県警によると、写真などを掲げただけのパネル掲示型と、案内役の従業員がいる店舗型があり、中心街だけで計28カ所も確認されている。

 条例案は、住宅街や学校、病院付近でのスナックやキャバレーなど接待風俗店への案内を禁止し、全県で原則性風俗店への案内を禁じる。県公安委員会への案内所運営の届け出を義務づけ、名義貸しも認めない。

 また、18歳未満の少年少女の案内業務を禁じ、性的に過激なパネルだけでなく、ホステスなどの顔写真の掲示も禁じる。違反した場合は、6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金を科す。

 県警が7~8月に実施した条例案に対するパブリックコメント(32件)では、「熊本の街の顔として恥ずかしい」「過激なパネルは子どもにも悪影響を及ぼす」など、規制に前向きな意見が多かった、という。

 県警によると、風俗案内所の運営には暴力団の関与も確認されている。熊本では来年、ラグビーワールドカップと女子ハンドボール世界選手権が開催され、国内外からの宿泊客の増加が見込まれる。「安全でクリーンな熊本の街」を広くアピールするためにも、何らかの規制が必要だろう。

 また、繁華街で横行する強引な客引き行為の排除も忘れてはならない。県警によると、客引きに関する通報は16年の149件から、翌年は537件に急増。今年は8月末で849件と倍以上のペースだ。県警は既に14人を逮捕するなど、摘発を強化している。

 客引きは、法外な料金を要求する「ぼったくり店」と結び付いていることも多い。「半グレ」と呼ばれる不良集団や暴力団の関与もうかがわれ、料金トラブルに起因する凶悪事件も起きている。

 熊本市も客引き・客待ち行為を全面的に規制する新たな条例案を検討中だ。県条例と合わせて繁華街の浄化につなげたい。

 規制条例の制定に伴い撤退する風俗案内所の「跡地」活用も検討課題だろう。案内所は、もともと空き地だった場所に進出したケースがほとんどという。きちんとした跡地活用ビジョンがなくては、再び治安悪化の温床となりかねない。地権者の協力も得ながら、行政と商店街、地域住民が一体となって知恵を絞りたい。