地方自治展望 国とは「対等」の再確認を

1月8日 09:22

 1993年に地方分権推進の国会決議が行われてから今年で四半世紀。2000年施行の地方分権一括法で、国と自治体は同じ行政主体として「対等・協力」の関係と明確に位置付けられた。地方の自主性は高まったものの、人口減少には歯止めがかからず、住民サービスの維持や東京一極集中の是正など課題は山積している。


 これらの解決に向け、安倍晋三首相が看板政策に掲げた「地方創生」も手詰まり感が漂う。政府が昨年12月に取りまとめた「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の改定版の柱になるのは、東京圏への転入・転出を20年に均衡させる目標だ。しかし、16年の転入超過は11万8千人と、13年より2万人以上増え一極集中は加速している。

 転入超過の約8割は15~24歳の年齢層が占める。大学進学や就職で流入する若者が多いためだ。若者を地方にとどめるために決め手となるのは生活の基盤となる雇用の確保だが、働く場を増やすのは容易ではない。

 地方創生の交付金は、自治体の産業振興や移住促進などの事業費に充てられる。しかし、国が使い道を細かくチェックして配分先を決めるため「使い勝手が悪い」と評判は芳しくない。しかも、申請の手続きが煩雑な上に不採択となった場合も理由が明らかにされないなど、旧態依然の「上から目線」的な政策となっている。

 熱意のある自治体を手厚く支援するとの国の姿勢に対して、全国知事会の山田啓二会長(京都府知事)は「問題克服に熱意のない自治体はない。地方創生を全ての自治体に行き渡らせる視点が重要だ」と批判する。国と地方はあくまで「対等」だということを再確認する必要があろう。

 一方、地方の側を見ると、自主性が高まるほど首長と議会が果たすべき役割や責任は拡大し、二元代表制は重みを増す。形骸化も指摘される議会では、常時議論ができるよう閉会期間をなくした「通年議会」の取り組みや、運営ルールや住民参加の原則を明記した「議会基本条例」の制定など活性化を目指す改革の動きも広がる。

 しかし、議員提出の条例案が乏しいことや首長とのなれ合いに加え、政務活動費の不正使用などもあり、二元代表制が期待される役割を果たしているかには疑問符がつく。

 昨年は、高知県大川村が議会に代わる「村総会」設置の検討を一時表明し、議員のなり手不足という地方議会が抱える問題に一石を投じた。長野県喬木村議会は昨年12月から、仕事と両立できるよう議事日程の大半を夜間や休日に行う制度を導入した。国は、兼業議員が議会活動のために休暇を取ったり、変則勤務したりできるような環境を整える必要があろう。

 人口減の流れには簡単にあらがえない。それでも現状がこれまでの人口政策の結果である以上、国は責任を持って、持続可能な地域づくりに腐心している自治体を全面支援すべきだ。同時に、地方の側の本気度も問われるだろう。