外出自粛 家庭でも身を守る努力を

4月10日 08:22

 新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、蒲島郁夫知事と大西一史・熊本市長が、県民に最初の外出自粛を呼びかけてから3度目の週末を迎える。

 県内は特措法の緊急事態宣言の対象にはなっていないが、熊本市は独自の5段階の警戒区分で2番目に高い「レベル3(警報)」を維持。知事、市長とも、週末だけでなく平日を含め不要不急の外出を控えるよう呼びかけている。各家庭では屋内にこもりがちな生活になるだろうが、それぞれが身を守るため、健康維持と外出時などでのリスク管理に努めたい。

 せきをしたり、声を出したりすると、しぶきが飛ぶ。新型コロナウイルスは主に、感染者のしぶきを吸い込んだり、手に触れて自分の鼻や口などを触ることで感染する。

 無症状や軽症の人からも広がる可能性があり、予防には人との接触を最小限にする方がよい。外出自粛もそのためだが、食料や日用品の買い出し、持病治療の通院などは欠かせない外出だ。「出歩くなら予防策をとり、なるべく短時間で」と専門家らはアドバイスしている。

 複数人の世帯なら、買い物に行く人を限定すればリスクを抑えられる。外出中は手で顔を触らないようにしたい。鼻から顎までマスクで覆い、正しく装着すれば鼻や口に触れにくい。帰宅時、ウイルスを屋内に持ち込まないようにする。洗面所で手を洗う前にドアノブやスイッチを触ると、ウイルスが付着する恐れがある。できれば玄関前にアルコールを置き、手指を消毒したい。せっけんでの入念な手洗いはもちろんのことだ。世帯によっては、インターネットなどでの宅配を利用することもできよう。

 屋内中心の生活で心配なのは運動不足やストレスだ。特に高齢者は筋肉量が急に落ちる恐れもあるという。ラジオ体操など屋内でできる軽い運動をなるべく続けたい。政府の専門家会議メンバーは「1人での散歩は問題ない」と戸外での適度な運動を勧める。人との接触に十分な注意を払えば、連れだっての散歩やジョギングなども問題ないはずだ。運動を交えて規則正しい生活を心掛けたい。

 ストレスの影響で、飲酒量などが増える恐れがある。熊本地震や東日本大震災後の避難生活でも、アルコール依存増加との関係が指摘された。家族が一緒に過ごす時間が増え、一部ではドメスティックバイオレンスや児童虐待の危険性が高まると懸念されている。政府や自治体は、外出自粛の影の部分への目配りを強化してほしい。

 感染者や感染疑いの人がさらに増えれば、病院ではなく自宅で療養することも考えられる。その場合、同居の家族は何に注意すればよいのか。家屋内での部屋分け、炊事洗濯や入浴、消毒の方法など心配は尽きない。県のホームページなどには注意点が掲示されているが、それだけでは不十分だろう。行政には十分な相談態勢を取ってもらいたい。