拳銃強奪事件 再発防止へ十分な検証を

6月18日 09:21

 大阪府吹田市の交番で16日、府警の巡査が刺され実弾入り拳銃が奪われた。翌17日にこの拳銃を所持していた男が逮捕されたが、20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)開催を控え、厳重な警戒態勢が敷かれていたはずの大阪は、一昼夜にわたり大きな不安に覆われ市民生活もマヒした。

 警察官からの拳銃強奪事件は近年、全国で相次いでいる。対策が進められているものの、またも防ぐことはできなかった。これ以上の再発を防止するためには、事件の十分な検証が不可欠だ。

 交番勤務の警察官らが拳銃を奪われる事件は、2013年以降、今回を除き全国で8件発生し、うち5件で発砲された。警察庁はこうした事態を受け、奪われにくい新型拳銃入れを順次配備。また、交番警察官の複数配置や耐刃防護服の常時着用も指示していた。

 しかし、今回襲われた巡査は、旧型の拳銃入れのままだった。また、虚偽の110番通報を受け、他の交番警察官が先に出動。巡査は追って1人で出動しようとしたところを襲われ、耐刃防護服が覆っていない部分を刺されたとみられている。

 地域に開かれた拠点という交番の性質上、強い拳銃強奪の意思を持って訪れる相手への対応は、難しい面もある。だが装備や人員運用など、まだ改善できる部分はあるはずだ。これまでも指摘してきたが、所有者以外は使えない拳銃の安全装置の開発は予防にもつながるのではないか。

 大阪府警は、昨年8月に起きた容疑者逃走事件で、情報公開が遅れ批判を浴びた。今回は、発生情報や防犯カメラ映像の公開は比較的早く、昨年の反省の上に立った対応がなされたようだ。

 しかし、右手に血の付いた男が、16日午前9時に吹田市内のショッピングセンターで服を購入。事件現場近くの住宅街では、同日午前6時ごろに発砲のような破裂音がしたとの情報もある。いずれも容疑者による行為であれば、少なくとも事件後3時間以上は、容疑者は現場周辺の市街地にとどまっていたことになる。

 初動捜査に不備はなかったか。G20大阪サミットでのテロ警戒にも不安が残る。この点も早急な検証と態勢見直しを求めたい。