4月15日付

4月15日 09:29

 新入社員らしいグループが屈託ない笑顔でおしゃべりしながら、昼時のアーケードを歩いている。その傍らを就職活動の学生とみえる男性が真新しいバッグを手に急ぎ足で通り過ぎた。ピンと伸びた後ろ姿に、企業の採用面接に向かう途中かと想像を巡らせてみる▼初々しいスーツ姿の若者が街に映える春は、新社会人と就活生が交錯する季節でもある▼就職情報会社の調査によると、来春卒業予定の大学生の就職内定率は4月1日時点で22%を超えた。経団連が定めた就活ルールでは面接解禁は6月のはずだが、と言ってもせんないこと。人手不足を背景に企業は採用選考の開始時期を年々早めている▼企業と学生が出合う就職戦線は売り手市場といわれるが、学生からすれば希望する会社に簡単に入れるわけではない。各社の選考日程に合わせて走り回った末に本番では緊張から力を出し切れなかった、何回も面接に呼ばれたのに不合格になった…。そんな悔しい思いを重ねる学生は少なくないようだ▼いまの大学4年生の多くが入学した3年前、直後に熊本地震が起きた。県内の学生も県外に進学した人も、震災がもたらした惨状にすくむ思いの中で学生生活をスタートさせたことだろう。時を経て迎えた就活のステージは、新たな社会への扉を開き震災の記憶からまた一歩進むための階段でもある▼就活は多くの会社との接触や面接を通し、学生が自分自身を見つめる機会ともされる。焦ることはない。じっくり構え、悔いのない選択をしてほしい。