7月12日付

7月12日 09:13

 「看護婦さん」と呼んでいたのは20年近く前のこと。「看護師」と名称は変わったものの、つい看護婦さんと言ってしまう年配の人は多いのではないか。男性看護師は増えてきたが、看護職といえば女性というイメージはまだ強い▼小学6年生が将来就きたい職業を今月、クラレが発表した。女子の1位は医師、2位が看護師。女子の親が就かせたい職業の首位は看護師だった。女性にとっては不動の人気職業である▼点滴連続中毒死事件で逮捕された31歳の元看護師も“白衣の天使”へのあこがれはあったろう。高校から看護専門学校に進学し免許を取得。それから8年後、横浜市の病院に勤務していたとき事件は発覚した▼終末期患者向けフロアの4階病棟が担当だった。88歳の患者が急死した。患者の点滴袋内に奇妙な気泡があるのに別の看護師が気付き、病院が警察に通報した。医療器具などの減菌に使う消毒液ヂアミトールが検出された▼「自分の勤務時間中に入院患者が亡くなると、遺族への説明が面倒だった」というのが動機という。「20人ぐらいやった」とも話している。それが本当なら悪魔の仕業としか言いようがないが、それだけの理由だろうか▼事件発覚前、短文投稿サイト「ツイッター」に4階フロアの異変が告発されていた。看護師のエプロンが切り裂かれ、飲もうとした飲料に漂白剤のようなものが混入された、カルテも紛失したと。この時点で病院が踏み込んだ調査をしていれば…。最悪の事件を前にそう思わざるを得ない。