9月17日付

9月17日 08:00

 熊本地震ではずいぶん水に苦労した。と思ったが、備忘録を見直してみると記憶ほど長期の断水はなかった。熊本市内の拙宅では本震から3日もたたないうちに水道が復旧している▼それなのに苦労した思いが残っているのは、3日足らずでも相当こたえたからだろう。給水用のポリ袋を求めて量販店へ走ったものの、ものすごい行列を見て買うのを諦めた。立ち寄った近くの給水所で、袋を持参しなければ給水できないと断られた▼たまらず、被害のなかった親戚の家に「もらい湯」に出かけ、こわばった体が息を吹き返したようになったのを覚えている。そのとき持ち帰った18リットル入りの非常用タンクの水は、今も玄関先に置いたままにしてある▼熊本地震は春4月の発生だったが、今は残暑も厳しい9月。そのさなかに1週間以上続く断水や停電はさぞかし身にこたえるだろう。台風15号で被災した千葉県で、携帯通信を含むライフラインの復旧が遅れに遅れている▼要の電力について東京電力は最初、2日後には全面復旧すると言っていた。ところが3度にわたって見通しを修正し、今のところ最も遅いエリアでは復旧までに18日間かかるとしている▼作業を進めるうちに新たな被害が分かり、山間部では倒木で工事現場まで進めない-。困難な事情は分かるにしても、状況判断や見通しに甘さがあったと言われても仕方がない▼ライフラインはあって当たり前の空気のようなもので、なくなると途端に存在感を増す。思い知らされる機会が多すぎる。