9月13日付

9月13日 08:01

 きょうは十五夜。小欄の子どもの頃と言えば、「月見団子」を家族皆で食べるのが一家の習わしだった▼稲わらで編んだ綱を引き合ったり急ごしらえの土俵で子ども相撲をとったり。昔はふつうだった十五夜行事を目にすることが最近めっきり少なくなった▼若い人たちが集落を離れ、行事の主役となる子どもが減り、残ったのは高齢者ばかりというところも少なくなかろう。県の統計によると、65歳以上の高齢者が占める割合は五木村の49%を筆頭に11の町村が40%超。中心部から離れた集落は軒並み50%を超える。こうした地域は「限界集落」と呼ばれ、十五夜行事どころか共同体の維持さえ困難なところが多い▼民間初の「月旅行」はどうなるのだろう。IT大手ヤフーがきのう、ネット衣料品通販大手ZOZO(ゾゾ)を買収すると発表した。ゾゾの前沢友作社長と言えば、米宇宙ベンチャー「スペースX」の第1号顧客に選ばれたご仁。世界中から芸術家を招待すると公言していただけにその行方が気にかかる▼米国の宇宙船アポロ11号の月面有人着陸から今年で50年。その近くに民間人が行けるようになるというのだから、月も随分身近になったものである。日進月歩で進む宇宙科学の未来を期待する一方で、「限界集落」に取り残される人がいることも忘れてはなるまい▼昔と少しも変わらぬ月に古里を離れた子どもや孫を思うお年寄りもいれば、都会から古里を思う人たちもおられよう。日本中を分け隔てなく照らし出す十五夜の月である。