8月24日付

8月24日 06:47

 16歳の少女が大西洋をヨットで航海、米国を目指している。学校の授業をボイコットして地球温暖化対策を大人たちに迫ったスウェーデンのグレタ・トゥンベリさんだ。若者らによる世界的な抗議行動の火付け役である▼9月にニューヨークで開かれる国連気候行動サミットなどに招待されたが、温室効果ガス排出が多い飛行機には乗らない主義。そこへ、太陽光パネルなどを備え炭素排出ゼロのヨットをモナコのヨットクラブが提供したという▼温暖化で将来が危ぶまれているのに、なぜ政府や大人は無策か-。彼女の問いはシンプルだ。「あなたたちは子どもを愛していると言いながら、子どもたちの未来を奪っている」「パニックになってほしい。家が火事の時と同じように行動を」。各国政治家らにストレートに訴える▼世界の関心はパリ協定からの脱退を表明したトランプ米大統領との面会だったが、「科学者に耳を貸さない人を子どもが説得できるわけない」「時間の無駄」と一蹴。1人でも多く行動できる人と連携を、ということか▼そのトランプ氏、唐突にデンマーク領グリーンランド島の購入に意欲を見せ、同国首相に「ばかげている」と拒否されるや、逆切れして同国訪問を取りやめた。見ているのは島の資源ばかり。温暖化被害の現状など眼中にあるまい▼ひるがえって温室効果ガス排出大国の日本である。抑制に消極的な上に石炭火力発電の輸出には前向き。トゥンベリさんにとって、安倍晋三首相との面会も時間の無駄だったり。