<新生面>忘れえぬ人

熊本日日新聞 2022年4月14日 07:00

 阿蘇のカルデラを歩いた国木田独歩は「荒涼たる光景」と驚いた。その壮大さは、明治の名文家にして「筆も口も叶[かな]はない」と。短編『忘れえぬ人々』につづった。1894年1月のこと。火口を目指し、立野を出発した▼その地はいま、荒涼たるまま痛々...

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