阿蘇製薬株式会社「救急ばんそうこう 国内・海外へさらに供給」代表取締役社長・久木康裕氏【トップインタビュー】

熊日プレジデント倶楽部
熊本日日新聞 2025年1月1日 00:02
熊日プレジデント倶楽部 トップインタビュー Sponsored
代表取締役社長 久木康裕氏
代表取締役社長 久木康裕氏

─昨年の事業状況はいかがでしたか。

久木 国内事業は、円安・物価高の影響で原材料費が上がったものの、コロナ禍の影響を抜けたようで、売り上げは2年前に比べると回復基調となりました。一方の海外事業は、それぞれ現地法人が運営しており、状況が異なります。米国は物価が上がるとそれに応じて商品価格も即座に上がります。供給側が値上げをためらわないのです。それでも米国には消費力があり、主力の救急ばんそうこうの需要はコロナ禍前までに回復しました。欧州は欧州連合(EU)としてまとまっていますが、例えばドイツで市場シェアを伸ばせたからといってフランスでも伸ばせるというわけではなく、それぞれで営業努力が必要です。各国の人口は米国に比べると少ないため手間がかかりますが、欧州全体では大きな需要を期待できます。アジアについてはまだ市場が未成熟で、需要が比較的小さい状況です。

─労働力の確保に向けた採用活動をされているそうですね。

久木 積極的に採用活動をしているのは、工場勤務のパート従業員です。ここ2年連続で時給ベースを引き上げてきたこともあり、パート従業員の働き控え「年収の壁」にも対応している状況です。新卒者採用では昨年、県内の高校を訪問し、4日間に分けて生徒の工場見学を受け入れるなどして、8人の内定が決まりました。当社はコンビニやドラッグストアなど、相手先ブランドで商品を製造するビジネスモデルのため社名があまり知られていませんが、生徒が暮らす地域の店舗で当社が製造した商品が販売されていることが分かり、親近感を持ってくれた例もありました。

─菊陽町の本社に隣接した場所に賃貸マンションを建設されています。

久木 当社は、JR豊肥線の三里木駅と原水駅の間に計画されている新駅のそばにあります。TSMCの菊陽町進出の影響で住宅需要が高まったため、本社そばの遊休地に3階建ての賃貸マンション4棟・全80戸を建設しました。すでに3棟全てが入居済みで、4棟目が今月完成する予定です。かつての当社遊休地にできた商業施設「アヴァンモール菊陽」にも近いので、住民の増加が地域の活性化につながればうれしく思います。

─阿蘇地域にも貢献されていますね。

久木 阿蘇市とNEC、私が理事長を務める阿蘇火山博物館の3者が包括連携協定を結んで2018年から進めてきた事業は、「観光×防災×地域」をテーマに昨年10月、3期目がスタートしました。こちらも成果を出したいものです。

〈左上〉アソ・コーポレーション(米国)、〈右上〉アソ・アメリカス(メキシコ)、〈下〉アソ・フィリピンINC(フィリピン)
〈左上〉アソ・コーポレーション(米国)、〈右上〉アソ・アメリカス(メキシコ)、〈下〉アソ・フィリピンINC(フィリピン)

概要

所在地 〒869-1101 菊池郡菊陽町津久礼91-1
【電話】096(232)2131
業務内容 医薬品等製造販売業(救急絆創膏、磁気絆、魚の目絆ほか)
設立 昭和25年10月
資本金 5,000万円
役員 代表取締役社長/久木康裕
取締役/上村行弘、生山三雄、久木敏子
従業員数 180人
営業所 東京営業所、大阪営業所、九州営業所
グループ企業 アソ・インターナショナル(株)、康和(株)、アソ・コーポレーション(米国)、アソ・アメリカス(メキシコ)、アソ・フィリピンINC.、アソ・ヨーロッパ(オランダ)、(公財)阿蘇火山博物館
ホームページ https://www.aso-pharm.co.jp/

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