「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
株式会社あつまる山鹿シルク「シルクを活用 医療分野の研究開発に注力」代表取締役社長・島田裕太氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部─シルク成分は医療分野でも素材として使われているそうですね。
島田 シルクに含まれるタンパク質は人の肌に近く、水に溶けやすい性質を持つことから、医療や化粧品分野で幅広く利用されています。当社ではカイコの餌となる桑を無農薬・無化学肥料で栽培し、無菌大規模養蚕プラントでシルクを一貫生産。有機JAS(日本農林規格)やISO9001を取得しており、品質と安全性が高く評価されています。試薬メーカー向けのシルク成分の原料販売を始めているほか、企業や教育機関と連携して研究・開発に取り組んでいます。熊本大学との共同研究では、シルクの繊維質を活用し、手術後の傷口に使う癒着防止シートや止血材の開発に力を入れています。特許を出願している製品も出ており、今後、臨床試験が開始される予定です。米バイオ系企業では、当社のシルク成分を使ったパッチ式ワクチンを開発中です。このほか、シルク成分を使った動物向け経口ワクチンの研究も進んでいます。
─化粧品部門はいかがですか。
島田 ハンドクリームやボディーウオッシュなど「やまがシルク」を使った「COKON LAB」というボディーケア商品を販売しています。昨年12月には新商品としてヘアオイルも加わりました。シャンプーやトリートメントも商品化のめどが立ち、今年中には発売したいと考えています。アメニティーとしてラインアップがそろいますので、ホテルなどへの営業展開とともに、台湾での販売も視野に入れています。また昨年11月、企業永続のために革新的な事業などに取り組む経営者を表彰する「アトツギアワード2024」イノベーション部門を受賞しました。
─「YAMAGA BASE」の活動について教えてください。
島田 山鹿市の千田小学校舎跡を改修し、昨年4月にオープンさせました。シェアオフィスやコワーキングスペース、キッチンスタジオ、交流ラウンジ、宿泊機能を備えた施設で、ビジネス創出や地域活性化を支援します。私も運営会社の代表の一人です。利用者は徐々に増えており、企業や団体の会議などビジネス関連のほか、学校の部活動の合宿にも活用いただいています。私たちの取り組みとしては、ビジネスセミナーや企業の多業種交流会を実施しているほか、複数業者でつくる特定地域づくり事業協同組合で、組合員の事業者に働き手を派遣する事業も始めています。不定期でカフェも営業していますので、皆さんも気軽にお越しください。3月には地域のお酒をテーマにしたイベントも開く予定です。
概要
所在地 | 〒861-0602 山鹿市鹿北町芋生4041 |
---|---|
設立 | 2014年10月8日 |
資本金 | 5,250万円 |
事業内容 | 桑の栽培、「天空桑園」運営管理、カイコの飼料作製ほか |
代表 | 代表取締役社長/島田裕太 |
従業員数 | 28人(NSP山鹿工場含む) |
関連会社 | 株式会社あつまるホールディングス |
ホームページ | https://atsumaru-silk.jp |
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