飯塚電機工業株式会社「地域を守り社会に貢献する総合設備企業へ」代表取締役社長・松尾修一氏【トップインタビュー】

─昨年はどんな一年でしたか。

松尾　働き方改革関連法に基づく時間外労働の上限規制が適用される「2024年問題」への対応が大きかったですね。新年度に向け、休みの拡充と賃上げの調整が難航しましたが、7月から年間休日数を増やしました。人材確保や業務効率化の面では、希望を募って事務職の女性4人を技術補佐職に職種転換し「技術アシストグループ」を新設。メーカーの技術研修への参加や高圧電気取扱者資格などの取得準備を進めており、既に2人を健軍水源地(熊本市東区)の非常用発電設備設置工事の現場に配属しています。今後は男女問わず、未経験からでも挑戦できる環境として、技術職を目指す文系学生の受け入れにも対応しながら「技術アシストグループ」を拡充させていきたいと考えています。

─最近の工事実績を教えてください。

松尾　昨年3月にリニューアルオープンした天草市の「御所浦恐竜の島博物館」で、空調・給排水衛生設備工事を請け負いました。山鹿市では2020年の豪雨災害で被災した「津留配水池」を、廃校になった鶴城中のグラウンド跡地に移転新築する工事で電気設備工事を担当。世界的建築家の安藤忠雄さんが熊本市中央区に建設し県に寄贈した「こども本の森　熊本」では、電気・機械設備工事を手掛けました。

─地域貢献に積極的ですね。

松尾　一昨年に引き続き、昨年も「企業版ふるさと納税」を実施しました。営業所があったり、社員が住んでいたり、仕事で取引があったりする5市4町に寄付しました。昨年は、トップ選手が集まったバドミントンの国際大会「熊本マスターズジャパン」や、JR熊本駅・花畑広場・水前寺の3会場で開催された「クリスマスマーケット熊本」にも協賛しています。

─今年の抱負をお願いします。

松尾　当社にはアビリンピック(全国障害者技能競技大会)の「建築CAD」で銀賞を受賞し、日本代表として世界大会に出場した技術者がいます。一昨年の熊本県電気工事技能競技大会では、入社5年目の社員が1位に輝き、昨年11月に全国大会へ出場。多くの社員が会場に駆け付けて応援しました。当社は資格取得を奨励しており、受講費用を補助するほか、合格後は資格手当を支給します。積極的な社員を全力でサポートしていく考えです。また、今年は創立75周年を迎えます。現在、社員有志による「周年旅行プロジェクト」と「大会議室の有効活用プロジェクト」が動いています。各チームからの提言を基に、今年度中に実行に移していきます。