「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
一貫グループ「天草慈恵病院40周年 医療の質向上に尽力」理事長・永野忠相氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部─グループ内の二つの法人の理事長を兼任しておられます。
永野 当グループには、天草慈恵病院などを運営する社会医療法人稲穂会と、重症心身障害児(者)施設「はまゆう療育園」などの福祉施設を運営する社会福祉法人慈永会があります。以前から稲穂会の理事長を務めていましたが、1年前に慈永会の理事長に就任し、現在は両法人の理事長を兼任しています。病院長と理事長業務のバランスを取りながら、障害福祉分野について理解を深めているところです。
─業務改善やサービスの質の向上に注力されています。
永野 天草という地域性から人材確保が難しい中、業務の効率化は最優先課題です。従来のやり方を見直したり、DX化したりすることで、サービスの改善や職員の負担軽減を目指しています。DXの例として、体温や血圧などの測定値が自動的に電子カルテに入力するバイタル連携や、院内決裁などをシステム化しました。またDX化をさらに拡充させようと、昨年、DX推進室を新設し、専任スタッフを配置しました。一方、当院とはまゆう療育園は、日本医療機能評価機構が実施する「病院機能評価」の審査を受けています。はまゆう療育園は昨年12月に受審しましたが、障害者施設で病院機能評価認定を受けているのは全国でも非常にまれです。当院は7月に受審する予定で、病院の運営管理や診療・ケアの質を高める良い機会にしていきたいと考えています。
─地域医療についての考えをお聞かせください。
永野 天草や苓北町といった地域性を見据えた医療体制の整備が必要と感じています。天草圏域は少子高齢化や人口減少が顕著で、超急性期病院以外の病床数は過剰気味です。地域医療構想に基づき、機能分化や病床数の調整を図ることで、地域の医療機能の偏在をなくし適切に提供できるよう、行政や他の医療機関と連携していきたいと思います。
─今年、天草慈恵病院が節目の年を迎えるそうですね。
永野 1969年に前身の永野医院を開設、85年に現在地に移転して天草慈恵病院を開院し、10月1日に40周年を迎えます。地域の皆さまに支えていただき、ここまで続けることができました。今後も医療サービスや職場環境の向上、改善に努め、地域医療の一翼を担っていきたいと思います。感謝の気持ちを地域の皆さまに伝えられるよう、記念式典の開催や記念誌の編さんなどにも取り組みたいですね。
概要
所在地 | 社会福祉法人 慈永会 重症心身障害児(者)施設 はまゆう療育園 〒863-2503 天草郡苓北町志岐1215 【電話】0969(35)1258 社会医療法人 稲穂会 天草慈恵病院 〒863-2502 天草郡苓北町上津深江278-10 【電話】0969(37)1111 |
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設立 | 慈永会 昭和47年5月 稲穂会 昭和60年10月 |
会長 | 永野義孝 |
理事長 | 永野忠相 |
従業員数 | 544人(慈永会262人、稲穂会282人) |
関連施設 | ○慈永会:養護老人ホーム寿康園、特別養護老人ホーム梧葉苑、第2はまゆう療育園、ふれあいスペース如水館 ○稲穂会:介護老人保健施設慈恵苑、天草慈恵病院介護医療院、居宅介護支援事業所ケアプランサービスJCS24、訪問看護ステーションはまゆう、ヘルパーステーションJCS24、通所リハビリテーション蕩蕩館、天草慈恵病院健診センター、住宅型有料老人ホーム和 |
ホームページ | 慈永会 https://www.jieikai.com/ 稲穂会 https://www.inahokai.com/ |
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