株式会社エバーフィールド「家づくりを通じSDGsの実現めざす」代表取締役・久原英司氏【トップインタビュー】

熊日プレジデント倶楽部
熊本日日新聞 2025年1月1日 00:01
熊日プレジデント倶楽部 トップインタビュー Sponsored
代表取締役 久原英司氏
代表取締役 久原英司氏

─能登半島地震の被災者用の木造応急仮設住宅の整備に携わられたそうですね。

久原 地域の工務店だけでは整備困難という理由から、石川県から全国木造建設事業協会(全木協)に依頼がありました。全仮設住宅約6600戸のうち約1500戸が木造で、全木協と協議の上、当初は当社と富山市の住宅会社が要請を受けました。当社の担当棟数は481戸。現場管理者や職人を派遣したほか、熊本の協力工務店にも石川県まで出向いていただきました。昨年3月に着工し、7月に完成。"熊本型"と呼ばれる集合住宅型で、基礎を鉄筋コンクリート(RC)造にするなど耐久性を高め、中長期にわたって住めることを念頭に置いています。仮設としての期間終了後、公営住宅などに転用される予定です。

─SDGsの取り組みについて教えてください。

久原 森林資源の循環に貢献しようと、建設から廃棄までの二酸化炭素(CO2)排出量の収支がゼロとなる「LCCM」住宅に取り組んでいます。具体的には地元企業や小国町森林組合と連携して、地域の良質な木材を活用しているほか、CO2の排出削減・吸収量をクレジットとして国が認証する「J-クレジット制度」で熊本県のカーボンオフセット(温暖化対策)クレジットの購入を続けています。ただ、SDGsの2030年目標まで残り5年しかなく、企業として、住宅業界として何にどう取り組み、結果どうなったのかを明確に数値で表し、正しく評価すべき時期に来ていると感じています。そこで、取り組み項目をチェックリスト化し、実現度を点数化する仕組みの構築を進めています。

─木材加工場が話題ですね。

久原 くまもとアートポリス参加プロジェクトとして、約1年前に建設しました。壁と屋根を木材の部材同士が立体的に支え合う「レシプロカル構造」の建物で、全て小国杉を使用。昨秋の「くまもとアートポリス建築展2024」では、巡回展で多くの方に見ていただきました。

─4月から建築基準法が改正されます。

久原 原則として全ての新築住宅に対して省エネ基準の適合が義務化されるほか、4号建築物の特例縮小となります。この改正に対応できない工務店や建築会社、設計事務所が多数出てくると予想されており、業界全体が混乱する一年になるとみています。当社では数年前からしっかりと準備しており、法改正の影響はありません。これまで同様、住宅性能や暮らしの豊かさ、快適さを兼ね備えた家づくりを手掛けていきます。

エバーフィールドベース(EFB)
エバーフィールドベース(EFB)

概要

所在地 (本社)
〒861-4214 熊本市南区城南町舞原195-22
【電話】0964(28)1100
(EFB)
〒861-4615 上益城郡甲佐町府領892
【電話】096(234)3300
事業内容 建築工事(住宅・商業施設・店舗全般)
資本金 2,000万円
設立 平成12年4月
従業員数 22人
ホームページ https://ever-field.com/

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