「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
株式会社九建総合開発「エコ燃料で重機稼働 環境配慮の経営推進」代表取締役・新永隆一氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部─廃食油原料のエコ燃料を積極的に使用しておられますね。
新永 県内の家庭から出た使用済み天ぷら油などの廃食油を原料とする高純度BDF(バイオディーゼル燃料)を、工事現場で使う重機の9割超で使用しています。一昨年はグループ企業内に燃料製造設備も完成させました。また、熊本市北区の小学校では廃食油の回収日を設けてもらい、専用回収ボトルを配布しています。家庭から出た廃食油が燃料になることを伝える授業も小学校などで実施しています。今後は、集めた廃食油が高純度BDFとして実際どのように使用されているのか、子どもたちに見学してもらうような計画も進めていきたいと思っています。
─高純度BDFは能登半島地震の被災地でも使われたそうですね。
新永 私が隊長を務めるボランティア団体「赤十字飛行隊」が中心となり、石川県珠洲市で約4カ月間支援活動をしました。グループ企業の未来樹が開発した移動式のEV急速充電機1台と、充電機に使う高純度BDF2100㍑を大型トラックで輸送。珠洲市が被災家屋調査やパトロールで使うEV車と住民のEV車の充電に活用され、大変喜ばれました。
─くい打ち工事の最近の施工実績を教えてください。
新永 京セラが長崎県諫早市に新設する半導体関連工場や、熊本銀行の店舗・寮・社宅が一体となった新生ビル(熊本市東区)でくい打ち工事を実施しました。また昨年は、150㌧級のクローラクレーンや、直径3㍍×深度60㍍を掘削できる大型場所打ちくい機を新たに導入。西日本でこの規模の重機をそろえるのは当社だけです。国内に2台しかない大型のパイルドライバー(くい打ち機)1台も保有しています。
─今後の目標や展望をお願いします。
新永 グループ企業の九建では廃アスファルトを100%再利用可能にする移動式アスファルト再生機「アスルユニット」を製造・販売しています。九建はJICAの支援を受けた事業をタイで展開しており、来年からタイ全域でこの機械の導入を始めます。国内では防衛省が航空自衛隊の基地を中心に採用。今年3月までに新田原、小松、三沢基地などに5台納品します。また、昨年10月に県内で開かれた「ぼうさいこくたい2024」では移動式のEV急速充電機を出展しました。今後は南海トラフ地震の影響が予想される自治体に、災害時の非常用発電機として提案していきたいですね。
概要
所在地 | 〒861-0136 熊本市北区植木町岩野1375 【電話】096(272)4555 |
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設立 | 昭和55年5月 |
事業内容 | 杭工事 ①場所打ち杭施工 地盤改良・オールケーシング工法・スーパートップ工法(大口径岩盤削孔工法) ②既製杭施工 プレボーリング工法・セメントミルク工法・中堀り工法・ドーナツオーガー工法・その他各種認定工法 |
従業員数 | 42人(2024年8月現在) |
技術者 | 1級土木施工管理技士 2人 2級土木施工管理技士 3人 1級建設機械施工技士 2人 2級建設機械施工技士 12人 場所打杭基礎施工士 4人 |
グループ企業 | (株)九建、(株)九建運送、(株)未来樹、(株)ナチュール |
ホームページ | https://kyuken.jp/ |
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STORY
連載・企画-
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お金に関する知識が生活防衛やより良い生活につながる時代。税金や年金、投資に新NISA、相続や保険などお金に関わる正しい知識を、しっかりした家計管理で安心して生活したい記者と一緒に、楽しく学びましょう。
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