「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
熊本機能病院「気遣いを忘れず 安全な医療・介護提供」理事長・米満弘一郎氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部─新型コロナ感染症への対応状況はいかがですか。
米満 一昨年の新型コロナ感染症の規制解除に伴い、社会全体はコロナ前の状態に戻りつつあります。しかし、私ども医療機関は引き続き、感染症対策に追われた一年でした。2類相当から5類への移行で、恐怖心が薄らいだように思いますが、その後も何度か流行期があり、医療と同時並行で感染防止の対応を進めなければなりませんでした。医療・介護の分野では、今後も対策を継続していくことが求められるでしょう。院内のマスク着用により、コミュニケーションが取りにくい状態も続いています。スタッフ間の意思疎通をいかにスムーズにしていくかは引き続きの課題です。
─提供される医療について変化はありましたか。
米満 救急診療や整形・形成外科の手術、リハビリテーションなど、提供する医療そのものは、コロナ前の状況に戻ってきています。ここ数年注力しているのが、医療の安全です。職員一人一人が院内での安全意識を再認識するため、研修会のほか、患者さんの療養環境や薬品の管理状況、消防設備などを点検する院内安全巡回パトロールを定期的に実施しています。
─こども食堂を始められたそうですね。
米満 当院では、形成外科や整形外科で子どもさんの手術や入院が少なくありません。地域の皆さんのためにお役に立ちたいという思いから、レストランと社員食堂を開放し、「こども食堂 ナナイロカフェ」の運営も始めました。現在は1、2カ月に1回のペースで開催し、夏休みなど給食がない期間は多めに開いています。これからも、地域インフラの一つとして継続していきたいですね。
─今年の抱負をお願いします。
米満 医療や介護を行う上で、患者さんや利用者の視点に立ったケアが重要と考えています。先日、ある医療スタッフが実践した患者さんへの気遣いある行動から、「小さなことを大きな愛でやりなさい」という言葉を思い出しました。目の前の小さなことにも気持ちを持って取り組めるような医療・介護を目指していきたいですね。個人的には昨年、スペシャルオリンピックス日本・熊本の理事長に就任しました。知的障がいがある人たちに、日常的なスポーツトレーニングと、成果発表の場を提供する組織で、約30年前に熊本で活動がスタートしました。同団体の活動は当院の理念であるソーシャルインクルージョン(社会的包摂)と一致するものですので、精いっぱい取り組んでいきたいと思います。
概要
所在地 | 〒860-8518 熊本市北区山室6丁目8-1 【電話】096(345)8111 |
---|---|
設立 | 昭和56年5月1日 |
診療科 | 整形外科、形成外科、小児形成外科、皮膚科、リウマチ科、救急科、外科、脳神経内科、リハビリテーション科、脳神経外科、循環器内科、血管外科、内科、麻酔科(今泉隆志)、放射線科、耳鼻咽喉科、消化器外科 |
病床数 | 395床(一般病棟・地域包括ケア病棟・障害者施設等一般病棟・回復期リハビリテーション病棟) |
グループ関連施設 | 介護老人保健施設「清雅苑」、ホームケアサポートセンター、指定運動療法施設「熊本健康・体力づくりセンター」、熊本地域リハビリテーション広域支援センター、熊本市北3地域包括支援センター(ささえりあ清水・高平)、地域交流館、有明海リハビリテーションクリニック、なないろ森の保育園、機能デイトレ、暖 〈社会福祉法人寿量会〉 特別養護老人ホーム「天寿園」(介護老人福祉施設)ほか |
ホームページ | https://www.juryo.or.jp/ |
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