「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
熊本県経済農業協同組合連合会「安定した農業経営を実現する仕組みづくり」代表理事会長・丁道夫氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部─昨年はどのような一年でしたか。
丁 販売事業は15年連続で一千億円を突破する見込みです。コメは高温障害などが品質に影響を与えたものの、"令和の米騒動"で需給環境が引き締まりました。販売価格は回復傾向にあり、「良食味」で人気が高い「くまさんの輝き」の作付面積も拡大し、今後に期待しています。野菜・果実は天候不順により全国的な不足感を招き、日本一の生産量を誇るトマト類などが高単価で推移しました。半面、肉牛は物価高による消費者の低価格志向から購買意欲が低下し、厳しい状況が続いています。そのような中、10月には「You+Youくまもと農畜産物市場」に食肉冷凍自動販売機「JA NikuGacha!(肉ガチャ)」を設置しました。熊本県産黒毛和牛「和王」や県産豚肉「りんどうポーク」を24時間営業で販売し、県産畜産物の新たな消費喚起となるよう努めています。また、米の消費拡大を目指して商品化した県産米粉100%使用の「純米かすてら(プレーン味)」が念願のモンドセレクション金賞を受賞しました。
─県内農家を取り巻く状況は。
丁 円安などにより肥料や農薬、配合飼料などの価格が高止まりしており、農家組合員に深刻な影響を与えています。また、半導体関連企業の進出に伴い、農業用地は工業用地や宅地などに転用されて減少している上、宅地に周囲を囲まれて経営が困難になるような状況が予測されます。農地確保のため、県が進めている農地マッチングに加え、新たな農地の確保などを国や県に要請し、営農継続支援に取り組む必要があります。また、農家の高齢化や就農者の減少などに対応するため、ICTなどの先端技術の活用、オートメーション化を図り、関係機関と一体となってスマート農業の推進に努めます。
─今後の抱負をお聞かせください。
丁 さらなる県域機能の強化に向け、スケールメリットを生かした販売力の発揮による「くまもとブランド」の確立と生産・流通コストの低減に努めます。また、物流問題に対応するため、関係機関や関係団体などと協力し、持続可能な物流体制の構築を目指します。併せて、国内の人口が減少する中、熊本の農畜産物の販路拡大に向けて、諸外国への一層の輸出増に取り組むべきです。本年も国消国産・地産地消への啓発活動も積極的に展開し、農家組合員はもとより、新規就農を考えている方々が百年先も安心して農業経営ができる環境づくりを行っていきます。
概要
所在地 | 〒860-8528 熊本市中央区南千反畑町3-1 【電話】096(328)1115 |
---|---|
設立 | 昭和26年4月1日 |
事業内容 | 農業関係販売、購買事業 |
出資金 | 40億1,669万円 |
職員数 | 234人(2024年12月1日現在) |
役員 | 代表理事会長/丁 道夫 (理事12人・監事4人) |
事業所 | 東京事務所、大阪事務所、名古屋出張所、福岡出張所(ほか5事業所) |
関連会社 | 熊本くみあい運輸(株)、(株)エーコープ熊本、ユーユーフーズ(株)、熊本パールライス(株)、熊本クミアイプロパン(株)、(株)熊本畜産流通センター、(株)熊本蛋白ミール公社 |
ホームページ | https://www.jakk.or.jp/ |
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