熊本信用金庫「伴走型支援で地域経済の課題解決を後押し」理事長・井星伸一氏【トップインタビュー】

熊日プレジデント倶楽部
熊本日日新聞 2025年1月1日 00:01
熊日プレジデント倶楽部 トップインタビュー Sponsored
理事長 井星伸一氏
理事長 井星伸一氏

─県内事業者の業況はいかがですか。

井星 県内の景気は、コロナ禍後の社会活動の正常化やインバウンド需要の高まりにより、緩やかな回復基調にあります。一方で、当金庫の主要取引先である中小企業は原材料・エネルギー価格の高騰や、円安に伴う物価高、深刻な人手不足に加え、価格転嫁も思うように進まず、厳しい経営を強いられているのが実情です。

─さまざまな経営支援に取り組まれていますね。

井星 取引先の資金繰りに加え、経営を改善し本業を支える伴走型支援活動の徹底が重要と考えています。資金面については、独自の融資商品「くましん事業者伴走おうえん資金」や各種制度融資の利用提案、事業者の財務体質強化に役立つ「資本性劣後ローン」の活用に取り組んでいます。本業支援では売上増加・販路拡大に向け、外部機関とのネットワークを最大限に活用したよろず支援拠点出張相談会をはじめクラウドファンディング、ビジネスマッチング、商談会を実施。また取引先の経営課題に対応するため、外部専門家による事業計画策定研修や経営改善支援研修、人材雇用・育成研修を開催しています。

─子ども仕事体験「グッジョブ!やるキッズ!」が好評です。

井星 熊本の中小企業の魅力を広め、子どもの頃から、働くことの意義やお金の流れを学んでもらうためのイベントです。毎回多くの参加があり、昨年5回目を開催できました。活動を通じて、一人でも多くの子どもたちが将来の熊本を背負ってくれたらと願っています。

─今年の抱負をお願いします。

井星 昨年3月、日銀のマイナス金利政策が解除され「金利のある世界」となりました。貸出金の金利引き上げについては取引先に負担をかける形になりますが、今後もより一層のサービス向上に努めていきたいと考えています。事業者を取り巻く経営環境は引き続き厳しい状況が予想されることから、取引先の経営課題解決および事業成長を促すための支援を強化する方針です。深刻な人手不足に対応するスキマバイトマッチングサービス「シェアフル」の取り扱いも開始しました。信用金庫ネットワークを活用し、多様なニーズに応じた事業承継・M&A支援の促進にも取り組みます。若手職員の専門スキル・知識の向上を図るため、事業承継支援研修も計画しています。経営課題を解決できる身近な金融機関として、伴走型支援をさらに強化し、地域経済の課題解決、活性化につなげていきたいですね。

熊本信用金庫本店ビル
熊本信用金庫本店ビル

概要

所在地 〒860-0808 熊本市中央区手取本町2-1
【電話】096(326)2211
設立 大正12年8月
出資金 10億8,500万円
業務内容 信用金庫業務(協同組織金融機関)
役員 会長/品川良照
理事長/井星伸一
常務理事/吉村敏幸、真子秀樹
常勤理事/濵﨑宏紀、吉弘健二
常勤監事/桑原昭彦
非常勤理事/吉村浩平、中村吉宏
非常勤監事/椿喜久雄
職員数 194人
支店 熊本市内および近郊16店舗
ホームページ https://www.kumamoto-shinkin.jp/

熊日プレジデント倶楽部とは

「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。

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