「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
熊本第一信用金庫「地域に信頼される信用金庫であり続けたい」理事長・鴻池卓児氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部─県内企業の業況をどう分析されていますか。
鴻池 TSMCの進出やインバウンドの増加に伴い、好況を呈している業種もあるようですが、まだ隅々までは行き渡っていないのが現状です。中には、人件費の高騰や人手不足により、収益チャンスを逃している事業者もあるようです。仕入れ関係の資金も高騰が続いており、個々の事業者で大きな差が出てきています。
─昨秋開店した山鹿来民支店は新しいコンセプトの店舗になっているそうですね。
鴻池 これまではお客さまをお迎えするハイカウンターが中心で、一部にローカウンターを設置するというのが、通常の支店のスタイルでした。山鹿来民支店はローカウンターのみで、ロビーとオフィスとの境がない形となっています。金融機関全体に言えることですが、近年のデジタル化などに伴い、支払いや入金などで来店されるお客さまは減少傾向にあり、支店の役割も変化しつつあります。支店は今後、単に振り込みや入金をする場所ではなく、営業活動の拠点としての役割を強めていくことになるでしょう。そのため、お客さまに投資信託や保険商品などについてきちんと説明できる専門知識を持った職員の育成に力を注いでいきたいと考えています。
─金利上昇に伴う対応も求められますね。
鴻池 日銀の政策金利が上昇しておりますが、近年はゼロ金利が長く続き、貸出金の増強を図ってきたため、若い職員は預金を獲得するという営業活動をほとんどしていません。併せて、30年近く金利が上昇することもなく、お客さまに対して貸出金利の引き上げ交渉をしたこともありませんので、金利がある世界を丁寧に説明できる職員を育てる必要があります。スマホ一つで金融取引ができる時代ですが、直接相談をしたいというお客さまも多くおられます。これからも、信用金庫の最大の強みであるフェイス・トゥ・フェイスの関係を大切にしていきたいと思います。
─社会貢献活動にも積極的に取り組まれています。
鴻池 年1回開いている婚活支援「めぐり逢いパーティー」は10年以上継続しています。小学生対象の「Kidsしんきん教室」も、新型コロナの5類移行後に復活しました。ロアッソ熊本や火の国サラマンダーズなど地元プロスポーツのサポートも続けています。また昨年は、商工中金と連携し、社会貢献をする企業への融資を支援する取り組みも始めました。今後も地域に密着し、信頼される信用金庫であり続けたいですね。
概要
所在地 | 〒860-8681 熊本市中央区花畑町10-29 【電話】096(355)6111 |
---|---|
設立 | 昭和25年8月1日 |
出資金 | 36億4,700万円 |
役職員数 | 228人 |
店舗数 | 21店舗 |
役員 | 会長/森本 孝 理事長/鴻池卓児 常務理事/荒尾俊比古、東 信治 常勤理事/石田誠也、原田亨一郎、堤 裕倫、大森幹夫、北村礼希、平野公司 常勤監事/村中研一 非常勤理事/粟津勝蔵、豊住賢一、菊田廣文 非常勤監事/岡田直樹、古田邦昭 |
関連会社 | (株)いっしんサービス |
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