「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
熊本大学「『教育研究拠点大学』めざし 改革を進行中」学長・小川久雄氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部─大学の教育方針を教えてください。
小川 2021年4月、学長に就任以来、1887年の第五高等中学校設立に始まる熊本大学の歴史や伝統を守りつつ、国や社会、国際社会の変化に応じ、スピード感を持って改革を進めています。本学は「地域と世界に開かれ、共創を通じて社会に貢献する教育研究拠点大学」を目指し、22年4月に中長期的ビジョン「熊本大学イニシアティブ2030」を策定。教育、研究、社会との共創・医療の三つの戦略に基づく取り組みをまとめ、「常に情報を発信し続ける大学」「常に外から見える大学」「常に外からの声に耳を傾け、発展し続ける大学」を基本姿勢に掲げています。
─半導体を取り巻く状況はどうですか。
小川 熊本県は半導体関連企業を中心に産業集積が急速に進み、先端的な重要地域として国内外から注目されています。本学は23年4月、「半導体・デジタル研究教育機構」を発足させ、世界的半導体製造企業TSMCとの連携協定や台湾の大学との連携を進めています。24年4月には本学創立以来初めての新学部である「情報融合学環」を始動。工学部に「半導体デバイス工学課程」を設置しました。デジタル化に対応したイノベーション人材と半導体人材の育成、さらなる国際化を進めます。半導体関連の建物としては、企業などとオープンイノベーションで共同研究する研究棟と、情報融合学環などの学生や教員が入る教育棟を建設中(本年春完成予定)で、共同研究と人材育成の相乗効果を狙います。
─教育学部附属小学校に国際クラスが新設されます。
小川 26年度、国立大学の附属学校で初めて、文科省の学習指導要領に沿った教育を英語で実施する「国際クラス」を設置する予定です。来熊する企業関係者や外国人研究者が熊本の生活環境で最も気にするのは教育面とされ、それが設置を決めた理由です。今後はこの熊本のモデルが全国に普及していくでしょう。附属小にはモデル校という意味でも期待しています。
─情報融合学環に続く二つ目の新学部の設置予定があると聞きます。
小川 26年4月創設予定の「共創学環(仮称)」で、地域イノベーションとグローバルイノベーションの2コースです。文理融合の学術的な専門知識や多面的な思考力はもちろん、経営学、国際的コミュニケーション、データサイエンスを身に付け、実社会で生かす力を養います。地球規模の視野と地域の視点で考え行動し、共生共創する地域をデザインできる人材や、社会イノベーションを創出する人材を育成します。
概要
所在地 | 〒860-8555 熊本市中央区黒髪2-39-1 【電話】096(344)2111 |
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設立 | 1949年5月 |
学部等 | 文学部、教育学部、法学部、理学部、医学部、薬学部、工学部、情報融合学環 |
大学院 | 人文社会科学研究部、社会文化科学教育部(博)、先端科学研究部、自然科学教育部(博)、生命科学研究部、医学教育部(修、博)、保健学教育部(博)、薬学教育部(博)、教育学研究科(教) |
ホームページ | https://www.kumamoto-u.ac.jp/ |
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学んで得する!お金の話「まね得」
お金に関する知識が生活防衛やより良い生活につながる時代。税金や年金、投資に新NISA、相続や保険などお金に関わる正しい知識を、しっかりした家計管理で安心して生活したい記者と一緒に、楽しく学びましょう。
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