熊本大同青果株式会社「異業種企業と業務提携進め販路拡大へ」代表取締役社長・月田潔孝氏【トップインタビュー】

熊日プレジデント倶楽部
熊本日日新聞 2025年1月1日 00:01
熊日プレジデント倶楽部 トップインタビュー Sponsored
代表取締役社長 月田潔孝氏
代表取締役社長 月田潔孝氏

─昨年の業績はいかがでしたか。

月田 昨年3月期の売上高は税抜きで430億円、今年3月期予測は484億円で6年連続の増収増益となる見込みです。昨年は猛暑により国内の青果物の出荷量が減り、また円安の影響で、海外からの青果物や冷凍野菜の輸入量が徐々に減ってきたため青果物全般の単価が上がりました。こうした中、新規取引を拡大する「まるごと大同プロジェクト」が好調でした。このプロジェクトは、取引先の生産者が自分の担当外の品目を作っていた場合、部内で別の担当者を紹介、新規取引が成立したら紹介した社員も評価する仕組みです。2020年にスタートし、5期目の24年度は半年間で新規取引が413件、売り上げが約7億7000万円を計上しました。毎月の成績を本社の廊下に掲示し、優秀者は食事会でねぎらうなど、プロジェクトが社員のモチベーションアップにつながっています。

─異業種との業務提携が続いています。

月田 23年3月に埼玉県の丸和運輸機関と生鮮食品の流通に関する業務提携をし、昨年3月には兵庫県の大手コメ卸、神明ホールディングス(HD)と農産物の活性化に関する業務提携を結びました。関東、関西をはじめ全国で卸売市場を運営する同社とトラックを共有し物流網を相互活用します。また、熊本の米や冷凍野菜、乾燥野菜を神明HDグループ30余社のチャネルを生かして販路拡大し、熊本の生産者の所得向上に寄与したいと考えています。

─グループのトピックはありますか。

月田 HOSHIKO Linksの乾燥野菜ブランド「HOSHIKO」が全国のイオンで販売を開始しました。熊本大同フーズは熊本県産の冷凍野菜8品目を製造しており、セブン-イレブンのグリーンスムージーに同社の冷凍ケールが使われています。昨年、同社の工場にカラーソーターという色彩選別機を増台し、色の悪い野菜を製造ラインからはじき、異物混入を防ぐなど製造体制を強化しました。

─今後の目標や展望をお願いします。

月田 人材育成と働きやすい職場づくりに力を入れていきたいですね。昨年8月から市場の競りの開始時刻を30分遅らせました。加えて、時差出勤も導入しています。これまで新卒採用を中心にしてきましたが、中途採用にも力を入れ、将来的には外国人や英語・中国語に堪能な人材の採用も検討していきます。香港や台湾、タイなど東アジア地域に輸出事業を強化しており活躍していただけるでしょう。創立70周年を迎える2030年までに「売上高800億円達成」を目指してまい進します。

昨年3月に神明ホールディングスと業務提携。左から月田会長と神明HD藤尾社長
昨年3月に神明ホールディングスと業務提携。左から月田会長と神明HD藤尾社長

概要

所在地 〒860-0058 熊本市西区田崎町484
【電話】096(323)2500
事業内容 青果物卸(市場経営)
設立 昭和36年3月
資本金 3,000万円
従業員数 394人(関連会社、パート含む)
役員 代表取締役会長/月田求仁敬
代表取締役社長/月田潔孝 取締役副社長/梅田孝巳
専務取締役/竹原由幸
常務取締役/河添洋平(根菜部・果菜部担当)
常務取締役/永田健二(果実部担当)
常務取締役/白石芳久(大同フーズ担当)
常務取締役/緒方大介(管理本部担当)
常務取締役/月田敬志郎
常務取締役/津田裕一郎(葉茎菜部・特販部担当)
執行役員/藤本将史(青果センター・商品管理部統括部長)
監査役/久峨章義
グループ企業 熊本大同ホールディングス(株)、(株)大同リース、(株)HOSHIKO Links、熊本大同フーズ(株)
ホームページ https://www.oyasai.ne.jp/
https://10831.jp/

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