「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
構造計画研究所ホールディングス「人的資本を重視 社会課題に知の力で挑む」代表執行役・服部正太氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部─事業のルーツを教えてください。
服部 始まりは東京工業大学で構造設計の研究に携わっていた創業者・服部正が創設した、大学発のベンチャー企業でした。研究成果を社会に還元する橋渡しとしての役割を担いたいという理念の下、1956年に創業。時代の社会課題をエンジニアリングで解決し、事業を展開してきました。
─熊本とのつながりが深いそうですね。
服部 1960年の熊本城天守閣再建工事の際、当社が構造計算に携わり、熊本とのご縁はそれから深まっていきます。当時の通産省が提唱した「テクノポリス構想」に賛同し、細川護熙熊本県知事(当時)のご支援を得て、ソフトウエア開発の拠点とすべく大津町に86年、「熊本構造計画研究所」を設立。私は翌87年にボストンコンサルティンググループを退職して当社に入社しました。初任地が熊本で、4年間家族と共に暮らしました。
─熊本での事業は。
服部 熊本構造計画研究所は、開所して38年、現在は総勢120人が働いており、熊本県出身者も多数活躍しています。熊本では現在、建築と情報通信の2分野でアプリケーション開発を手掛けています。日本郵船と2014年から始めたコンテナ船の積み付け業務も拡大しています。
─採用に力を入れていると聞きました。
服部 当社は「人的資本」を重視した経営を掲げています。社員一人一人の知性と個性を尊重し、さまざまなつながりの場を提供することで会社全体の知を蓄積し、新しいサービスを生み出していく。このことを、企業価値創造の根本に置いています。当社では才能の才の字を使って人材を「人才」と呼んでいます。採用には特に力を入れており、昨年はグループの中核をなす構造計画研究所で新卒者33人に加えて11月までに8人を中途採用しました。サステナブルな成長を実現させるためにも「人才」が活躍する社風を生かしながら、社会やコミュニティーが抱える問題を「知」の力で解決していきたいと考えています。
─どのような企業の姿を目指しますか。
服部 2056年の創業100周年を見据え、事業の多様化に即した自律的・機動的な意思決定と事業運営、ならびに人を中心とする経営資源を適切に配分していきます。企業のみならず、社会や市民の未来のニーズをくみ取り望ましい仕組みをデザインして、暮らしぶりや生き方を変えていくことも重要です。成⻑を確かなものとするために昨年7月から、持株会社体制に移⾏しました。引き続き21世紀を代表する、あるべき姿の知識集約型企業を目指します。
概要
所在地 | 〒164-0012 東京都中野区本町4丁目38-13 日本ホルスタイン会館内 【電話】03(5342)1101 〈熊本構造計画研究所〉 〒869-1235 菊池郡大津町室1315 【電話】096(292)1111 |
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設立 | 2024年7月1日 |
資本金 | 10億1,000万円 スタンダード市場上場(208A) |
役員 | 代表執行役 服部正太 |
従業員数 | 758人(2024年11月1日現在) |
事業拠点 | 構造計画研究所本社/東京 関係会社・関係会社支社・事務所/熊本・大阪・名古屋・福岡・上海・アメリカ・シンガポール・スペイン |
ホームページ | https://www.kke-hd.co.jp/ |
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