「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
国立病院機構熊本医療センター「人気の附属看護学校 優秀な学生を教育」院長・高橋毅氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部─病院の状況について教えてください。
高橋 新型コロナウイルス感染症が収まって以降、ずっと忙しい状態が続いています。当院は平成8年から開放型病院を開始しています。現在、医科が1444人、歯科は401人の先生方に登録いただいており、初診外来件数の9割をご紹介いただいています。入院に関しても、6割が紹介からの予定入院で、救急からの入院は4割になりますが、その半数がご紹介いただいた救急患者さまです。つまり、外来の9割、入院の8割が先生方からのご紹介ということになります。このデータを見ると、当院の開放型病院がいかに有効に機能しているのかを如実に示していると思います。
─「働き方改革」にも注力されています。
高橋 当院には約1300人の職員が働いていますが、職員からの提案で、「毎週金曜日はノー残業デー」を昨年7月に始めました。もちろん、急患対応は今までと変わらずきちんと対応しています。これが徐々に定着しつつあり、金曜日以外にも良い効果が出てきたように思います。さらに、昼食は仕事から解放され、眺めの良い展望職員レストランや院内カフェなどで楽しく食事を取れる環境もありますので、職員間のコミュニケーションもスムーズで明るい雰囲気が出てきました。また、これも職員からの提案ですが、一昨年から「火の国まつり」総踊りに150人の職員が参加しており、大いに盛り上がっています。
─附属看護学校が人気だそうですね。
高橋 毎年多くの優秀な学生が来てくださいますが、高校側から推薦枠拡大の要望があり、令和7年度入学分から指定校推薦選考に加え一般推薦選考を始めました。これにより当校を志願される方々が、より入学しやすくなったと思っています。また学校横には救命救急センターやヘリポートもあり、学生たちは日常的に病院の救急機能に触れています。「救急看護をやりたい」「フライトナースになりたい」と希望する声をよく聞きますが、看護師の育成と供給は社会貢献にもつながるものです。
─院長になられて8年、いろんなチャレンジをしてこられました。
高橋 私は救急医療が専門でしたので、救急医療の発展に寄与してきましたが、院長になってからは、がん診療の推進、特に低侵襲がん治療を病院運営方針に加えました。このことにより病院としてクオリティーの充実が図られ、経営的にも安定したように思います。現在、私は国立病院機構本部の経営顧問として全国に140ある機構病院の経営指導を依頼されています。少しでもお役に立てればと考えています。
概要
所在地 | 〒860-0008 熊本市中央区二の丸1-5 【電話】096(353)6501(代表) |
---|---|
設立 | 1871(明治4)年12月 前身の鎮西兵団病院開設 1945(昭和20)年12月 国立熊本病院として発足 2004(平成16)年4月 独立行政法人化し現在名に改称 |
診療科 | 精神科、脳神経内科、呼吸器内科、呼吸器外科、消化器内科、循環器内科、リウマチ科、小児科、外科、整形外科、形成外科、脳神経外科、心臓血管外科、小児外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科(瀧賢一郎)、総合診療科、血液内科、糖尿病・内分泌内科、腎臓内科、放射線治療科、救急科、病理診断科、頭頸部外科、腫瘍内科、感染症内科 |
病床数 | 550床(一般500床、精神50床) |
職員数 | 1,248人(令和6年4月1日現在) |
関連施設 | 熊本医療センター附属看護学校 |
ホームページ | https://kumamoto.hosp.go.jp/ |
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