「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
金剛株式会社「時代の変化捉え 新しいモノづくりに挑戦」代表取締役社長・田中稔彦氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部─現代をどんな時代だと捉えておられますか。
田中 「人類は政治、経済、文化の時代を繰り返してきた」と言われます。政治は価値観を集約し制度を定めるもので、選挙や戦争がその象徴です。制度が定まると経済的豊かさを求める成長の時代に入ります。そして物質的に満たされると、人は何のために生きるのか、正しさとは何かを希求する時代に移る―。これが今の「文化の時代」です。しかし文化の根底である思想や宗教は多様で、価値観の衝突から再び政治の時代に戻る循環が人類の歴史でした。
─日本も「文化の時代」ですか。
田中 世界が衝突した戦争を終え、日本はいち早く経済復興を果たしました。そこから物質的な豊かさよりも大切なものを求めるようになり、今は文化の時代に入ってきたと思います。世界一の経済国から転落しましたが、スポーツや平和運動など社会活動では世界から高い評価を得ています。県工業連合会会長として、台湾など海外の方と接する機会が増えましたが、大谷翔平選手の活躍やノーベル平和賞受賞のことを皆さんよくご存じです。そのような歴史の転換点にいることを理解して、熊本の未来を描くことが大切ではないでしょうか。
─具体的にはどのような取り組みが必要でしょうか。
田中 社会の基礎を築く半導体が熊本から生産されることは、経済的に大きなインパクトです。ただし直接の経済的価値だけを見るのではなく、社会をどう変えていくのか文化として捉えることが重要です。例えば米国シリコンバレーでは、半導体生産から、アップルやグーグルのような現代社会を変える事業に発展しました。熊本も半導体供給基地だけの存在にとどまらず、地域住民を含め社会全体の幸福度が上がる取り組みにつなげていくべきでしょう。
─半導体関連事業に注力されています。
田中 熊本地震後に再建した新工場は、「社会の3Dプリンター」を目指しています。工場で製造できるものを製造するのではなく、社会が求めるモノづくりに貪欲に挑戦しようという意味です。幸い、半導体関連企業や工場設備企業から製造のチャンスをいただきました。もちろん、文化の象徴である図書館の書架など金剛の基盤事業が柱であることは変わりません。しかし、書物がデジタル化され半導体が必要になってきたように、新たな感性と柔軟性で文化を支えるべきでしょう。「安心と先進で社会文化に貢献する」という企業理念に向けて、若い力も積極的に取り入れて社内の活性化にも努めたいと考えています。
概要
所在地 | 〒860-8508 熊本市西区上熊本3-8-1 【電話】096(355)1111 【FAX】096(352)0227 |
---|---|
サテライト | 〒860-0047 熊本市西区春日3-15-60 6F |
工場 | 〒861-3107 上益城郡嘉島町上仲間字八津1825 |
設立 | 昭和26年(創業昭和22年) |
事業内容 | 金属家具、設備の製造販売 |
資本金 | 6,000万円 |
従業員数 | 300人 |
役員 | 代表取締役社長/田中稔彦 専務取締役/髙津英文 常務取締役/永野 章 取締役/福田成雪 取締役(非常勤)/甲斐俊吾 監査役/柴田智子 相談役/田中浩子 |
支社・支店・ | 東京、仙台、金沢、名古屋、大阪、岡山、 |
営業所 | 広島、高松、福岡、大分、佐賀、長崎、熊本、八代、天草、宮崎、鹿児島、沖縄 |
グループ | (株)コンゴー測器、(株)谷脇ビル、(株)御免屋、(株)ホテルサンルート熊本、(株)アスカ |
ホームページ | https://www.kongo-corp.co.jp/ |
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