「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
株式会社サトウロジック「共同配送と倉庫業通じて新たな価値創出」代表取締役社長・佐藤栄磨氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部─事業内容と昨年の業績、業界全体の動向についてお聞かせください。
佐藤 1972年の創業から今年で53年目です。九州全域を対象とした共同配送の仕組みを業界に先駆けて始め、専用トラックの提案をきっかけに2000年から携わるようになった半導体関連の精密機械輸送でも浸透してきました。TSMCや関連企業の進出によってサプライヤーの部品納入は増加傾向にありますが、世界情勢の影響もあって半導体市場はまだ踊り場で、製品を出荷する販売物流が回復するのは今年9月ごろの見込みです。しかし既に周辺道路の渋滞やリードタイム(生産にかかる時間)の拡大が発生しており、それらを解消する上でも共同配送の役割はますます大きくなるとみています。昨年は大規模な投資を行い、トラックの増車や新たな定温倉庫の稼働などが奏功し、売上高は前年から約30%増の19億5000万円の見込みです。
─共同配送によってCO2削減など環境面でも大きな成果が出ていますね。
佐藤 共同配送によってサプライヤーの納品物流で年間1000㌧のCO2削減につながっています。これは当社のトラックの年間排出量の約半分に相当する値。メーカーにとっては輸送コストを抑えつつ環境問題への取り組みにもつながるメリットがあります。また、「ロール(かご)台車」や「折り畳みコンテナ」「通い箱」などを使用することで、従来なら廃棄していた梱包材や緩衝材の費用抑制だけでなく、作業時間短縮や人件費削減にもつながるといった効果もあります。
─昨年、稼働した定温物流倉庫の状況は。
佐藤 昨年9月、9900平方㍍の定温倉庫が完成。総延べ面積3万2000平方㍍の常定温倉庫をセミコンテクノパークの3㌔圏内に準備することができました。物流業界では納品先に近い「門前倉庫」を構えることがトレンドとなっています。弊社で納品代行も行うことで、サプライヤーとメーカーの双方にとって人件費などのコスト削減と効率化が可能になります。製品の保全や検品なども含め、精密機械輸送に長く関わってきた実績があるからこそ、信頼いただけているのだと思います。
─今年の展望や、今後の見通しは。
佐藤 前年からやや増えて21億円前後の売上高を見込んでいます。シリコンアイランドとして注目が集まる中で、共同配送と営業倉庫を通じ、運送業界においても持続可能で環境への負荷の小さい事業展開ができるという弊社の考え方、ロジックをより広く知っていただき、新たな価値を創出していきたいと思います。
概要
所在地 | (本社) 〒869-1236 菊池郡大津町杉水3739-9 【電話】096(294)0070 |
---|---|
設立 | 昭和47年2月29日 |
資本金 | 5,000万円 |
従業員 | 88人 |
保有台数 | 自社車両67台 |
営業エリア | 九州管内 |
事業内容 | 共同配送、営業倉庫 |
物流センター | 〈第1〉大津町杉水3739-9 倉庫面積/4,517㎡(1,369坪) 〈第2・5〉大津町平川1644-1 倉庫面積/11,000㎡(3,334坪) 〈第3・4〉大津町平川1417 倉庫面積/5,436㎡(1,648坪) 〈第6〉大津町杉水2976 倉庫面積/9,900㎡(3,000坪) |
ホームページ | https://www.satoh-logic.com/ |
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