「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
株式会社三勢「清掃のプロの視点でDX推進、衛生管理」代表取締役社長・福原浩倫氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部─DX化や現場改善が急務と聞きます。
福原 人手不足が深刻化する中、主力のビルメンテナンス事業は多くの人手を要し、人間の手仕事に頼る部分が大きいため、DX推進で現場を改善し、いかに効率化していくかが喫緊の課題です。そこで勤怠管理アプリや清掃ロボットを活用しています。ただし、清掃作業への機械導入は省力化だけでなく衛生管理が主目的です。人の手に触れ、菌が繁殖しやすい手すりや壁などの立面は熟練した作業員が行い、床はロボットに任せるなど人とロボットのハイブリッド化を図っています。清掃のプロの視点で各現場に最も適したロボットの使い方を工夫することで、運用の付加価値を高めています。
─人員募集や社員教育にも熱心ですね。
福原 専門業者と協力、工夫し、ビルメンテナンスに特化した募集に切り替えたところ、問い合わせが月10件程度から80~90件に増えました。ビルクリーニングのスタッフに雇う外国人実習生についても採用を拡大していきます。人材育成では幹部教育に注力。40代~50代前半の10数人を管理職に引き上げ、クリーニング業の経営ノウハウを習得する幹部育成セミナーに送り込んでいます。ここでの学びは実務に取り入れており、その一例が年初に全社員に配布する手帳型の経営計画書です。手帳にはその年の経営計画と5カ年計画、それらを実行に移す方針や事業内容が記載されており、社員は常に携帯し、何かあれば書き込むといった使い方をしています。
─新しい業務サイクルに移行しました。
福原 これまでは物の置き場所を使用頻度で分ける、危険箇所に張り紙をするといった物的改善に取り組んできましたが、昨年10月からPDCLA(Plan・Do・Check・Learn・Action)を実践しています。各部署が立案した実行計画について、月次で施策の実行度合いや数値目標の達成率を検証し、それらが妥当かを判断するのが"Learn"。実行内容と数値目標をブラッシュアップし、業績につなげていく業務サイクルです。
─今年の抱負をお聞かせください。
福原 ビルメンテナンスの強化とともに建設業やハト対策、カビ対策、介護事業、温水ボイラーなどを拡充します。介護事業は2号店、3号店と広げ、建設事業もマンションなどの大規模改修を数多く手掛けたいですね。また、廃タイヤを燃料として再利用する温水ボイラーも2台目の販売攻勢をかけています。世の中の環境変化に遅れないよう情報をしっかりキャッチしながら柔軟に対応していきたいと思います。
概要
本社 | 熊本市中央区帯山3丁目8-44 【電話】096(383)2341 |
---|---|
従業員数 | 約500人 |
業務内容 | 設備管理、清掃管理、保安警備、環境衛生管理、廃棄物運搬処理、人材派遣、給食、指定管理、建設、スポーツ事業、文化事業、教育事業、介護事業 |
加盟協会 | 全国ビルメンテナンス協会、熊本県ビルメンテナンス協会、全国警備業協会、熊本県警備業協会、熊本県産業廃棄物協会、日本給水用防錆剤協会 |
営業所 | 松山支店、京都営業所、上天草営業所、長洲営業所、八代営業所、八女事業所 |
関連会社 | (有)ライフジョイ、(株)城門工業 |
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