株式会社シアーズホームグループHD「エネルギー低消費型住宅の普及リード」常務取締役・丸本文平氏【トップインタビュー】

─昨年、グループ3社にそれぞれ新社長が就任されました。

丸本　創業35周年を機に昨年5月、シアーズホーム、シアーズホームバース、ジャストホームに新社長が就任し、創業者の丸本文紀は3社の会長として、グループ経営に専念しています。グループの将来を見据え、「世代交代」「実力主義」「人材育成」を図り、成長戦略を推進する体制です。

─幅広いニーズに対応されていますね。

丸本　間取りやデザイン、価格、構造など、顧客それぞれのニーズに合った住宅を提供できる体制を整えてきました。昨年10月にはTKU八代住宅展示場のモデル住宅を建て替え、シアーズホームの「桧家住宅」を展示しました。「将来平屋暮らしができる1階完結型の2階建て」をテーマにした住宅です。11月には福岡県小郡市に、「エアコン1台で住める家」がテーマのシアーズホームバースの新商品「育hug：2.0」のモデルハウスをオープンさせました。

─今年はどんな住宅を展開されますか。

丸本　シアーズホームでは「パッシブデザイン」という、機械を使わずに心地よさを実現する設計技術を追求した新商品「Gut」を展開します。地球温暖化の影響なのか、近年は住宅で消費するエネルギーが増加傾向にあります。住宅の冷暖房機器は故障することがあり、寿命もありますが、住宅の断熱性能や機密性を最高度に高めれば、太陽の光や熱、風など自然の力を利用して快適な暮らしが実現できます。当社は、こうしたエネルギー低量消費型住宅の普及をリードしていきたいと考えています。Gutは国の最高等級の断熱性能に加え撥水性が高く、しかも美しさが長持ちする外壁を採用し、ランニングコストの抑制も図りました。Gutのモデルハウスは合志市御代志に今春、TKU住宅展示場にも夏ごろ、展示する予定です。

─滞在型ホテルも手掛けておられます。

丸本　昨年から今年にかけ取得・建設予定のものを合わせ、福岡県に6棟、東京都に1棟、沖縄県に1棟の計8棟体制にする予定です。事業展開の背景にはインバウンド需要の高まりがありますが、昨年6月に取得した沖縄の「プールヴィラ今泊」は国内客にも多数利用いただいています。

─今後の抱負をお聞かせください。

丸本　住宅メーカーとして「商品力」「技術力」「ブランド力」をより一層高め、本当に良い商品を普及させていきたいですね。これまで通り人材の育成を着実に進め、2026年度年商400億円を目標に、さらなる成長を図ります。