新産住拓株式会社「創業60周年　『お客さま起点』の家づくりを」代表取締役社長・小山英文氏【トップインタビュー】

─昨年11月に創業60周年を迎えられました。

小山　「会社はお客さまのためにある」という創業理念の下、地域に根差した住まいづくりに力を注いできました。60年の歴史の中で、地域社会やお客さま、取引先、施工パートナー、従業員らとの信頼関係を築いてきたことが今日の当社を支えている大きな力だと思っています。昨年11月には、ご縁をいただいたお客さまや関係者を招いて、青山学院大学陸上部の原晋監督による創業記念講演会や「ホームオーナーふれあい祭」を開催し、たくさんの方にご来場いただきました。

─SDGsの取り組みに積極的ですね。

小山　当社は30年前から独自の木材流通産直システムを構築し、木材の地産地消など環境負荷が少ない住まいづくりを実践しています。持続可能な開発目標の達成に向けた、県内の優れた取り組みを顕彰する「くまもとSDGsアワード2023」では「牽引部門」の大賞を受賞しました。近年は地域の学校からの要請で社員が生徒に、当社のSDGsの取り組みや木の素晴らしさについて講話する機会もあります。

─人材育成や職場環境の整備に力を入れておられます。

小山　毎月1回30分以上の1on1(個人面談)を9年続けており、社員一人一人の成長を支援しています。また2010年から、若手スタッフの提案力やプレゼン能力の向上を目的に「グッドデザイン賞」への応募を続けており、昨年の2作品受賞を含めて通算受賞数は22作品となりました。職場環境面では、60周年を機に本社をリノベーション中です。本社横の建物は、子ども会や町内会など地域に開かれたコミュニティーの場として提供します。制度面では不妊治療や介護と仕事を両立するための制度の整備・拡充、男性社員の育休取得促進にも取り組んでいます。

─今後の事業展開を教えてください。

小山　一般住宅の新築やリフォームに加え、ここ数年、商業建築の領域にも力を入れており、クリニックや保育園、レストラン、事務所などの施工実績があります。グループ企業では不動産仲介や賃貸物件管理、土地活用、相続相談などを展開。新築からアフターメンテナンス、その後のリフォームや住み替え、相続までお客さまの一生に寄り添った「住まいと暮らしのトータルサポート」に取り組みます。社員には今年の方針として、企業起点を捨て〝お客さま起点〟で考えて仕事をするよう伝えており、「熊本になくてはならない会社」になれるよう挑戦を続けていきます。