株式会社杉養蜂園「フィリピンでフランチャイズ事業を開始」代表取締役社長・米田弘一氏【トップインタビュー】

─店舗展開について教えてください。

米田　当社の店舗は主に観光地に立地していますが、近年は大型商業施設への出店に力を入れています。昨年は、7月に開業したJR大阪駅直結の大型商業施設「KITTE大阪」のほか、11月には愛知県岡崎市の「イオンモール岡崎」に出店しました。商業施設に出店する理由として、幅広い年齢層の顧客に直接、商品の魅力を伝えられる点が挙げられます。ご家族で蜂蜜入りソフトクリームを食べていただいた後に蜂蜜を購入されるなど、顧客との接点も増えました。最近は、アマゾンや楽天といったショッピングサイトの見直しを進めており、その結果、アマゾンサイト内の売上高が対前年比で400％アップしました。

─海外事業にも力を入れておられます。

米田　一昨年の秋、ブルガリアの企業と同国産蜂蜜の販売協定に関して調印しました。ブルガリアは採蜜地としても有名で、昨年、ヒマワリとバラの蜂蜜の取り扱いを決定しました。今後もJV(共同事業体)のあるニュージーランドをはじめ、品質の高い蜂蜜を取りそろえていきます。また、フィリピンの大手JVと昨年11月にフランチャイズ契約を結び、今年から同国で店舗展開がスタートする予定です。JVの経営者が当社の東京・表参道店を訪れ、商品を気に入っていただいたことがきっかけで業務提携に発展しました。

─ポリネーション(ミツバチによる花粉交配)事業の状況は。

米田　ビニールハウスで農作物を栽培している農家に対してミツバチを提供するポリネーション事業を進めています。少しずつ広がっており、県外からの大量注文も入るようになりました。農作物の受粉は、農家にとっては重要な課題。そうした課題解決の一助を担うことで、農業の生産拡大に貢献したいですね。

─ザ・リッツ・カールトン東京とのコラボレーション企画はいかがでしたか。

米田　同ホテルで昨年9月24日から期間限定で、「杉養蜂園ハニーコレクションアフタヌーンティー」が開かれました。当社のさまざまな種類の蜂蜜がスイーツや料理に使われ、とても好評でした。私は初日に視察しましたが、シェフの創造力あふれる品々に感動しました。この企画も、同ホテルのスイーツ部門のトップシェフが東京・麻布十番店に来店されたことがきっかけでした。アフタヌーンティーの利用客に、養蜂や採蜜の様子を収めた動画をタブレットで視聴してもらいましたが、それに感動された方が当社の店舗に足を運んでくださいました。今年の開催にも期待しています。