株式会社総合プラント「多様な働き方を支援　人と企業の架け橋に」代表取締役・髙山賢士氏【トップインタビュー】

─人材派遣会社の立場から、時給の高騰や人手不足の現状をどう捉えていますか。

髙山　県内では平均時給が前年に比べて50円近く、菊陽町や大津町ではここ数年で100円近く上昇していることから、幅広い業種で人材の流動化が起きているようです。職種によっては、従来応募があった求人に対してもなかなか人が集まらないという声を多く耳にします。物価高よりも人手不足に対応する形で、賃金が上昇しているように感じます。人的投資を行いながら、価格転嫁を図っていくことが重要になると思います。

─営業所の統合など組織改編にも取り組んでおられます。

髙山　お客さまサポート業務の効率化を目的に、鹿児島県の出水営業所を鹿児島支店に統合、大津営業所を熊本本社に統合し、マニュファクチャリング事業部として製造請負・製造派遣に特化した部署に組織再編しました。菊陽、大津エリアでの半導体関連企業の集積により、幅広い職種で求人が増えています。また、社内のコミュニケーションを活性化させようと熊本本社の一部をリニューアルしました。従来の面接ブースを個別の落ち着いた雰囲気の空間とし、お客さま対応だけでなく社内の打ち合わせにも活用できるようにしました。社員の声を反映したもので、大変好評です。

─九州に特化した転職サイトを開設されたそうですね。

髙山　自分に合った働き方を志向する人が増え、転職に対するイメージも変わり、採用においても中途採用強化にシフトする企業が増加しています。人材紹介事業では取扱件数が前年比150％で推移しており、ニーズが高いことから、正社員雇用の転職サイト「キャリアブリッジ」を開設しました。九州一円で営業拠点を展開している利点を生かし、九州内の優良企業で正社員として働きたいという求職者の転職をサポートしています。将来的には都市圏の事業者とも連携しながら、圏域外からの転職やIターン、Uターンにつなげたいですね。

─今年はどんな年になりそうですか。

髙山　JASMが本格稼働し、これから半導体関連事業の動きがますます活発になっていくでしょう。製造業務請負部門では、半導体分野をはじめ顧客ニーズに応えられるよう技術の習得や人材育成に力を入れています。人材派遣部門については、「はたらく」を応援していく会社として、取引企業と連携しながら働きやすい環境を整え、仕事を通してご自身やご家族の幸せを感じていただけるサービスの提供に努めていきます。