「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
東京応化工業株式会社「生成AIを追い風にさらなる成長めざす」取締役執行役員材料事業本部長・山本浩貴氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部─菊池市の工場が今年、稼働を始めるそうですね。
山本 当社は熊本では1984年、阿蘇市一の宮町に阿蘇工場を設立し、半導体製造の過程で欠かせない高純度化学薬品を生産してきました。県内二つ目の生産拠点となる「阿蘇工場阿蘇くまもとサイト」は、菊池市の県営工業団地「菊池テクノパーク」内に建設中で、建物は昨年6月に既に完成しています。今は、今年上半期の生産開始に向け製造設備などの準備中です。阿蘇くまもとサイトは、JASMの菊陽町進出を受け、生産拠点拡充の必要性が高まったことから建設しました。当社の高純度化学薬品は半導体製造の回路の転写過程で必要不可欠ですが、大型タンクローリーでの大量供給が求められるような性質のものです。阿蘇くまもとサイトは、半導体関連企業が立地するセミコンテクノパークへの交通アクセスも良く、効率性の高い生産と供給が実現できると期待しています。より安定した生産活動を実現するため、熊本での人材採用にも積極的に取り組んでいます。現在、当社の阿蘇工場と阿蘇くまもとサイトを合わせて、139人の方々が働いていますが、今後、中途採用含め、さらに人材の採用を進めていきたいですね。
─半導体市場はこれから先、どのように展開していくとみておられますか。
山本 ここ数年、業界では追い風が吹いていました。世界の半導体市場規模は、生成AIが追い風となり、2024年には前年比で大幅増となりました。今年はさらなる成長が見込まれています。生成AIの時代となったことで、これまで以上に高速処理、高速通信、大容量のサーバーが必要とされています。今後は、自動運転などに欠かせないセンサーなどへの需要が伸びていくことが見込まれ、半導体の需要、ひいては当社製品の需要も高まっていくことが予想されます。阿蘇くまもとサイトの稼働により、今後さらに高まる顧客のニーズに応えられる生産能力を確保できる見通しです。
─今年の抱負をお聞かせください。
山本 当社には3年単位の中期計画というものがありますが、2025年は新たな中期計画の最初の年であり、過去3年間の企業活動で結実したものを収穫する年でもあります。その一つが阿蘇くまもとサイトの稼働開始であり、これは、会社全体の成長という意味でも大きな期待が寄せられています。また今年は、阿蘇市の阿蘇工場が設立40周年を迎える記念の年でもあります。いろいろな意味で特別な一年となりそうです。
概要
本社所在地 | 〒211-0012 神奈川県川崎市中原区中丸子150 【電話】044(435)3000(代表) |
---|---|
創立 | 1940年10月25日 |
事業内容 | 半導体・ディスプレイ等のフォトリソグラフィプロセスで用いられる感光性樹脂(フォトレジスト)・高純度化学薬品を中心とした製造材料、その他無機・有機化学薬品等の製造・販売 |
資本金 | 146億4,044万8,000円(2023年12月31日現在) |
従業員数 | 1,877人(連結/2023年12月31日現在) 国内拠点 本社、(事業所・工場)TOK技術革新センター(相模工場含む)、湘南事業所、郡山工場、宇都宮工場、熊谷工場、御殿場工場、阿蘇工場、阿蘇工場阿蘇くまもとサイト 海外拠点 米国、台湾、韓国、中国、シンガポール、欧州に計6拠点 |
ホームページ | https://www.tok.co.jp/ |
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