「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
富田薬品株式会社「『ビジョン135』の優先課題を柱に組織強化」代表取締役社長・冨田久雄氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部
─中期経営計画「ビジョン135」の進捗はいかがですか。
冨田 「ビジョン135」は130周年を迎えた2022年に、135周年を目指して策定したものです。この計画では、“全てのステークホルダーに選ばれるヘルスケア企業になる”というスローガンを掲げています。そのために必要な三つの優先課題を中心に取り組んでいます。一つ目は「営業・物流機能の高度化と組織体制の最適化」。近年の医療環境の変化に対応し、地域の医療連携にも貢献できるよう営業組織を医療圏単位に改編しました。また、特定の治療領域や自治体との連携を推進する「領域プロモーター」を九州各県に配置しました。その一方で、物流機能の高度化においては昨年11月、八代市にある物流センターが国際基準ISO9001を取得。さらなる機能の高度化を図るため、増築と最新設備の導入を進めています。物流センターと46カ所ある事業所とは、万全の品質管理の下でネットワーク化され、スピーディーで確実な納品体制を整えています。
─二つ目の優先課題とは。
冨田 「働き方改革と人材育成による生産性と働きがいの向上」です。採用面では新卒、通年採用含め、人材確保に力を注いでいます。当社では定期昇給に加え、一昨年から毎年ベースアップを実施しているほか、住宅手当や役職手当を増額し、インフルエンザや新型コロナウイルスなどの予防接種を全額負担するなど、手厚い福利厚生を整備しています。人材育成面では研修プログラムを充実させるほか、社内公募制度を導入し、新しいプロジェクトなどに自ら手を挙げ、チャレンジできる機会を設けています。さまざまな職務を経験することで、将来的なキャリア形成にも大いに生かせると思います。そして三つ目の優先課題として取り組んでいるのが、「将来を見据えた新規事業への投資」です。現在熊本大学と医薬品開発ベンチャーとの共同研究で、医療ニーズを満たす製品の開発を進めるほか、女性の健康をサポートする自社ブランドのフェムケア商品「And Dears」はラインアップ拡大に向けて取り組んでいます。また海外事業では、自社ブランドのサプリメント3種がベトナムで承認され、販売の準備が整いつつあります。
─今年の抱負をお聞かせください。
冨田 「ビジョン135」策定後の2年間は、基礎づくりを進めました。中間年にあたる今年は三つの優先課題をさらに深掘りしていく中で、新たな柱となるものを見極め、さらに組織を強化し、選ばれるヘルスケア企業へとまい進します。

概要
所在地 | 〒862-8711 熊本市中央区九品寺6丁目2-35 【電話】096(373)1111 |
---|---|
事業内容 | 医療用医薬品、医療機器、動物・水産用医薬品、関連商品・サービスの卸売・販売 |
創業 | 明治25年(1892年)8月 |
設立 | 昭和23年(1948年)8月 |
資本金 | 24億1,570万円 |
従業員数 | 1,345人 |
売上高 | 1,467億7,698万円(2024年3月期) |
関連会社 | (株)とみた薬局グループ、富田薬品ベトナム有限責任会社 |
ホームページ | https://www.tomita-pharma.co.jp |
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