株式会社永井製作所「スローガンの『真面目に鉄骨』の姿勢貫く」代表取締役社長・永井毅氏【トップインタビュー】

熊日プレジデント倶楽部
熊本日日新聞 2025年1月1日 00:00
熊日プレジデント倶楽部 トップインタビュー Sponsored
代表取締役社長 永井毅氏
代表取締役社長 永井毅氏

─御社の事業内容と、近年の業績についてお聞かせください。

永井 1957年の創業以来、数多くの建築物に使用する鉄骨を製造、供給してきました。バブル崩壊やリーマンショックの影響があった中、「真面目に鉄骨」という企業スローガンの下、良いものを造ろうという姿勢を貫き、縮小傾向にある建築業界で生き残ってきました。近年は熊本城天守閣の復旧工事や熊本駅ビルの開発など、県内外で多くの建築物に関わらせていただいています。資材の高騰に伴い、全国各地で新規建設計画の延期や中止が相次いでおり、業界全体の景況感は決して芳しいものではありません。そうした中、弊社では今年から、2027年の開業に向けて着工したトーチタワー(東京都千代田区)に使用する鉄骨の製作をスタートさせます。年間生産量のおよそ2割に当たる約4000~5000㌧を製造する見込みです。

─資格取得など、社員のスキルアップにも力を入れておられますね。

永井 工場には認定制度があり、溶接の技能や衛生管理、鉄骨製作管理技術者など、さまざまな種類の有資格者が必要とされています。それが会社としての信頼を高め、新たな受注と実績につながっていきますが、社員個人も資格取得を通したスキルアップが可能です。例えば、事務職で入社した女性社員が技術職に転向し設計担当になったケースもあります。

─素材としての鉄や、関連する仕事の需要は今後どうなっていくと思われますか。

永井 私たちが使っている金属のうちの9割は鉄で、文明社会を支えているといえます。SDGsの観点からは、鉄のカーボンニュートラルにはまだまだコストがかかるのが現実です。また、IT化・DX化が進んでも鉄の需要は大きく変化しないと思われます。自然災害が多い日本において、耐震性や堅牢性の面で鉄に匹敵する素材はありません。建設業界に限らず工場の設備や技術を生かせる場面は数多くあり、多様な分野のニーズに応えることができる可能性と持続性を秘めていると考えます。

─今年の展望や見通しをお願いします。

永井 全国的には低調でも、熊本は半導体関連、福岡は再開発など、北部九州エリアは大きなポテンシャルを秘めています。不安定な国際情勢や円安、働き方改革…。鉄骨市場もその影響は避けられませんが、「反転スカラップ工法」をはじめとする弊社の技術をより広く認知していただき、業界の動静が変化する中でも企業姿勢を貫き、九州の代表として地に足を着けて頑張っていきたいと思います。

本社・松橋工場全景
本社・松橋工場全景

概要

所在地 (本社・工場) 〒869-0524
宇城市松橋町豊福2700 【電話】0964(32)1230
(八代工場) 〒866-0074
八代市平山新町5502 【電話】0965(35)6741
設立 1957年3月14日
事業内容 金属製品製造(建築用鉄骨の設計・製作・施工)
資本金 8,000万円
従業員数 330人
技術者 二級建築士2人
建築施工管理技士一級10人、二級3人
構造物鉄工技能士一級3人、二級6人
鉄骨製作管理技術者一級71人、二級1人
溶接管理技術者特別級2人、一級18人、二級41人
非破壊検査技術者UT-3 3人、UT-2 6人、PT-2 1人
鉄骨検査技術者 製品検査51人、超音波9人
鉄骨工事管理責任者8人
建築高力ボルト接合管理技術者17人
クレーン運転士41人
ホームページ https://nagai-steel.co.jp/

熊日プレジデント倶楽部とは

「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。

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