「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
株式会社永野商店「循環型社会を推進 バイオガス発電開始へ」代表取締役社長・永野順也氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部─創業から60年余り。リサイクルの推進に取り組まれています。
永野 1963(昭和38)年、祖父らが創業した廃品回収業から始まり、当初は一升瓶や古紙などのリサイクルに特化していました。79年に法人化し、父の永野正男が社長に就任。社会は大量生産・大量廃棄の弊害を見直し、衛生的な都市環境を維持するための再資源化が求められる時代となりました。こうした変化の中で当社は創意工夫を重ね、最新鋭の洗瓶機や発泡スチロール減容機、瓶缶選別機などの設備を導入し、業務の効率化を図りました。私は2016(平成28)年から社長を務め、「資源の100%再利用」をスローガンに、リユース(再利用)・リサイクル(再生利用)を推進し、事業を拡大してきました。
─最近の取り組みを教えてください。
永野 半導体関連企業が熊本に進出し、人材の採用が一段と厳しくなっているため、当社は昨年、休日を従来の年106日から120日にして賃金を上げ、福利厚生の充実を図ってきました。また、女性社員の意見も参考に、女性が働きやすい職場環境づくりへの改革を進め、女性ドライバーを募集し2人を雇用しています。SNSを活用した広報活動にも力を入れています。
─新事業に着手されていますね。
永野 出資を募り、再生可能エネルギー発電事業を手掛ける「エヌエナジー」を21年に設立し、熊本市西区谷尾崎町に土地を確保しました。そこにまず、食品トレーやプラスチック包装など発電に不要な廃プラスチックを固形燃料化する施設を設け、24年7月に稼働を開始。現在は敷地内に「熊本西部バイオガス発電所」を建設中で、今年8月に完成する予定です。スーパーやレストラン、食品工場などから出る食品廃棄物を回収し、バイオガスプラント(微生物分解施設)に集め、そこで発生するメタンガスを利用して発電をします。作られた電力は全量を九州電力に売電することになっています。またメタン発酵化に伴って出る発酵残さを堆肥工場で有機肥料に変え、その肥料は指定農場で使用する計画です。熊本県では初となるバイオガス発電所の稼働により、食品廃棄物を電力と肥料にすることができ、「循環型社会」の実現へまた一歩近づくことができます。
─今年はどんな年になりますか。
永野 5年をかけて準備したバイオガス発電所の稼働がいよいよ始まります。これまで計画への支援や協力、賛同いただいた方々の期待に応え、今年は初心に返ってチャレンジする年にしたいですね。
概要
所在地 | 〒861-8072 (本社)熊本市北区室園町10-22 【電話】096(343)4970 |
---|---|
事業内容 | 廃棄物処理業、古紙、非鉄、金属回収、機密文書処理等 |
設立 | 昭和54年9月1日(創業 昭和38年8月) |
資本金 | 1,000万円 |
役員 | 代表取締役社長/永野順也 専務取締役/永野康明 常務取締役/永野邦広 取締役/永野順子 |
従業員数 | 170人 |
事業所 | 北部事業所、西部事業所、北部工業団地事業所 |
関連会社 | エヌエナジー(株) |
ホームページ | https://www.eco-nagano.jp |
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