医療法人社団誠療会成尾整形外科病院「専門性を生かし 質の高い医療提供めざす」理事長・成尾政一郎氏【トップインタビュー】

熊日プレジデント倶楽部
熊本日日新聞 2025年1月1日 00:00
熊日プレジデント倶楽部 トップインタビュー Sponsored
理事長 成尾政一郎氏
理事長 成尾政一郎氏

─膝が痛む人への新しい治療を開始されたそうですね。

成尾 日常生活の中での立ち座りや歩くときなどに、膝の痛みを感じている高齢者が近年増えているようです。痛みに耐えかねて当院を受診される人のために、痛みを和らげる治療を昨年9月から始めました。膝が痛む疾患の中で、膝の軟骨がすり減ることで起こる変形性膝関節症の治療は従来、薬や注射、リハビリなどの保存療法をまず行い、それで回復が見られなければ手術を検討していました。しかし、内科的な持病がある、手術そのものに不安がある―といった人も多くおられました。そこで当院は、保存療法と手術療法の中間的治療法として新しい治療法「末梢神経ラジオ波焼灼療法」を導入しました。これはいわゆる"切る"手術ではなく、痛みを感じる膝の神経にラジオ波を流し、痛みをコントロールするもので、2023年6月に保険適用となりました。手術に踏み切れず、痛みを我慢しながら生活している人への治療の選択肢がまた一つ増えました。

─関節疾患や脊椎・脊髄疾患において専門性の高い医療を提供されています。

成尾 当院はこれまで、治療効果が高く、体へのダメージや体力的な負担を軽減できる治療の選択肢を広げてきました。脊椎疾患では、加齢により骨がもろくなることで起こる骨粗しょう症性椎体圧迫骨折も、閉経後の高齢女性に多い疾患です。背骨を構成する椎体の一部が押しつぶされるように変形して痛みを生じます。こうした疾患においても、早期に痛みを取って社会に復帰できる、低侵襲の手術「経皮的椎体形成術(BKP)」を選択できるようにしました。痛みは人それぞれですが、痛みを抱えたまま生活していては、生活の質(QOL)が低下してしまいます。重要なのは骨折しない体を維持することです。自分の骨の状態を知ってもらうためにも、私たち医療機関が骨粗しょう症検査の重要性を、さらに訴えていく必要があると感じています。

─新年の抱負をお聞かせください。

成尾 当院は開院以来、入院患者の早期の社会復帰に向け、新たな技術を取り入れ治療に当たってきました。昨年は内科医を1人増員し、糖尿病など入院時の内科的診療にも対応できる体制を強化しました。また、今年4月には熊本市西区に鼠径ヘルニアの専門クリニックを開院する予定です。2年後に当院は創立50周年を迎えます。脊椎・脊髄、関節分野の専門性を生かしながら、地域の皆さまに寄り添い、質の高い医療の提供を目指していきます。

超音波エコー下で膝の神経をターゲットにした疼痛治療の様子
超音波エコー下で膝の神経をターゲットにした疼痛治療の様子

概要

所在地 〒862-0958 熊本市中央区岡田町12-24
【電話】096(371)1188
事業内容 医業
設立 昭和52年1月
資本金 1,000万円
役員 5人
従業員数 194人
診療科目 整形外科、リハビリテーション科、リウマチ科、内科、麻酔科(中野伸彦)
許可病床数 103床
ホームページ https://naruoseikei.com/

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