「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
日本電子材料株式会社熊本事業所「熊本事業所に工場を増設 今春から稼働」代表取締役社長・坂田輝久氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部─半導体検査用部品の製造では国内トップクラスのシェアだそうですね。
坂田 半導体検査用部品の「プローブカード」を開発・製造・販売しています。プローブカードは、半導体製造の前工程で、基盤となるウエハー上のICチップに欠陥がないかどうか判定するために使用します。精密な半導体を検査するため、非常に高度な技術と精度を求められる製品です。生産・販売拠点は、国内は兵庫県尼崎本社と同県三田工場、熊本事業所、東京営業(横浜)の4カ所、海外では台湾や米国など七つの国や地域に8社を展開。従業員数は国内外合わせて1000人超です。
─半導体市場の状況やビジネス環境をどう捉えておられますか。
坂田 半導体市場は、今後も右肩上がりに伸びていくでしょう。世界の市場規模は、2020年と比較して10年後には2倍に膨らむという予想も出ており、それに伴いプローブカード市場も拡大していくとみています。当社では、その時に市場でどのくらいのシェアを確保したいのか、そのためには何をすべきなのかビジョンを描き、逆算して経営計画を策定しています。23年度の業績は、コロナ禍による半導体バブルの反動などでやや落ち込みましたが、生成AIなど新技術の拡大や高度化が見込まれる中、本年度は需要が回復してきています。国内外から多くの依頼や注文を頂いている状況です。
─熊本事業所に工場を増設されました。
坂田 熊本事業所は1985年に設立した当社最大規模の生産拠点で、約450人が勤務しています。将来の市場拡大と受注増に対応しようと工場増設を計画し、一昨年秋に熊本県の立ち会いの下、菊池市と立地協定を結び、建設を進めてきました。昨年11月に竣工した新棟は、鉄骨造4階建てで、延べ床面積は約6000平方㍍です。総投資額は約40億円。1、2階が工場フロアで、現状は1フロアのみ設備を導入し、春の稼働開始を目指して準備を進めているところです。生産力は、将来的に現在の最大2倍まで対応できるようになります。
─今年の抱負をお願いします。
坂田 今年は3カ年計画の2年目に当たり、再来年度に連結売上高300億円を目指す上で、ホップ・ステップ・ジャンプのステップの一年になります。大きく飛躍するための準備段階として、人や設備、技術、開発全ての面を積極的に強化します。増設に当たって新規雇用・人材育成を進めているほか、新卒採用、広報活動にも力を入れています。工場見学も受け付けを始める予定ですので、ぜひお越しください。
概要
所在地 | 〒861-1344 菊池市七城町蘇崎1396-5 【電話】0968(26)4101 |
---|---|
事業内容 | カンチレバー型プローブカード(Cタイプ)、アドバンストプローブカード(Mタイプ、Vタイプ)、フィラメント、電子ビーム溶接機用陰極、各種ヒーター、その他の開発・製造・販売 |
設立 | 1960年4月 |
資本金 | 30億6,983万2,000円 |
従業員数 | 742人(2024年10月31日時点) |
関連企業 | JEM AMERICA CORP.(JEMアメリカ社) 香港日本電子材料有限公司(JEM香港社) 捷睦(深圳)電子有限公司(JEM深圳社) 台灣傑睦股份有限公司(JEM台湾社) JEM EUROPE S.A.R.L. (JEMヨーロッパ社) 上海日智電子有限公司(JEM上海社) |
ホームページ | https://www.jem-net.co.jp/ |
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