「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
ヒノマル株式会社「『九州の農業の未来を照らす企業』を使命に」代表取締役社長・安武広信氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部─昨年の業況を教えてください。
安武 世の中の価格高騰の波は、当社が扱う農業関連商品にも及んでいます。中でも肥料や農薬は、値段が高かろうが日々使用せざるを得ないものです。値上げした分、昨年度の売上増につながりました。そのお返しというわけではありませんが、肥料の価格高騰から肥料代を節約したい農家さんも多いため、当社では農地の土壌分析をして効果的な肥料のやり方や、作業の省力化を提案しています。また「スマート農業」の分野にも力を入れています。売り上げに占める割合はまだ小さいですが、成長率は最も見込めるでしょう。
─スマート農業ではどのような商品を。
安武 農薬散布用ドローンが好調です。操縦資格を取得できるアカデミーも運営しており、受講者は前年の1.5倍で増えています。設定すれば自動操縦も可能で、70代の農家さんも導入されています。そのほか、ビニールハウスの温度・湿度などを計測する環境制御装置や、農家の荷作業をサポートする「パワーアシストスーツ」などを取り扱っています。
─今年、注力する事業はありますか。
安武 本年度から3カ年の「新中期経営計画」を始動させます。その柱の一つとして、畜産資材の取り扱いを増やそうと考えています。具体的には、牧草を熟成させるラッピングフィルムや、畜舎の餌を狙いにくるカラスの撃退レーザーなどです。畜産農家のためになる資材をいろいろ扱っていこうと思います。もう一つ取り組みたいのが、気象衛星を活用した営農サポートシステムの販売です。これは電子地図と圃場のデータを結び付けて作付け状況や病害状況などを管理するもの。効率的な農業を進めるための新しい提案をしていきます。
─今後の展望をお聞かせください。
安武 お客さま第一ですが、その前提として社員が幸せでなければならないと思っています。当社は役職定年を廃止し、男性社員の育休取得も推進。また資格取得を奨励しスクールの受講費用や合格時のお祝い金を支給するほか、課長職未満の全営業職員の営業力向上のために年4回の外部セミナーで学ぶ機会を設けています。給与ベースをさらに上げ、社員が幸せに長く働ける会社を目指したいですね。一方、お客さまに対しては「九州の農業の未来を照らす」企業になることが使命です。農業従事者の高齢化が進む中、スマート農業の提案は重要な鍵となります。ベンチャー企業が開発する斬新な商品などもいち早く見つけ、お客さまに提案していくことが私たちの役割だと思っています。
概要
所在地 | 〒862-0976 熊本市中央区九品寺5丁目7-29 【電話】096(372)5151 |
---|---|
創立 | 令和2年6月 |
事業内容 | 肥料、農薬、園芸資材、畜産資材、産業資材の仕入れ・販売、園芸施設工事の請負・施工 |
資本金 | 1億円 |
役員 | 代表取締役社長/安武広信 取締役/竹中 誠 取締役(非常勤)/金田欧奈、塚本 亘 監査役(非常勤)/檀野英次 執行役員/田上智範、澤田幸市、徳永純也 |
従業員数 | 100人 |
事業所 | 営業所/熊本、八代、福岡、長崎、鹿児島、宮崎、大分 出張所/大阪 |
関係会社 | 三建産業(株)、タイハク(株)、(株)九州農材、(有)マルタカ商事 |
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