平田機工株式会社「生産スペース拡張、新規事業で競争力強化」代表取締役社長・平田雄一郎氏【トップインタビュー】

熊日プレジデント倶楽部
熊本日日新聞 2025年1月1日 00:00
熊日プレジデント倶楽部 トップインタビュー Sponsored
代表取締役社長 平田雄一郎氏
代表取締役社長 平田雄一郎氏

─2024年度の業績見通しは。

平田 EV(電気自動車)バッテリー分野では、24年度から専門部署を新たに設け、製品開発段階から、お客さまの要望に迅速に対応できる体制を整えました。これらの取り組みもあり、EV向けバッテリー充放電関連設備に続き、立て続けに大型案件を受注しました。弊社はEV、内燃機関の両方で実績があり、どちらに傾いても受注を取り込めると確信しています。半導体関連も、車載向け半導体や生成AIの急成長に伴う需要が長期的に拡大することを見込んで、海外のグループ各社と生産協力体制の構築を進めています。24年度は、売上高1000億円、営業利益75億円と増収増益の見通しです。

─七城工場の増設など、生産スペースを拡張されています。

平田 生産スペースを見直し集約化することで、効率を高めるのが狙いです。24年2月から稼働している七城工場では生産スペースを40%拡張したほか、山鹿市内にも資材保管と生産のためのスペースを確保しています。拡大する需要に対応できるようさらなる拡張に取り組み、今後も主力分野の生産体制や熟練度を高め競争力アップを図っていく計画です。

─新規事業にも積極的に取り組んでおられますが、状況はいかがでしょうか。

平田 創業以来、常に新しいことに挑戦してきた歴史があります。昨春、植物遺伝資源研究施設を開設し、食品関連企業などが植物遺伝資源サンプルを容易に取得できるサービス「ぷらんつプロ」を開始。この1月からは、新たな多変量解析法「HIGOMARI」(特許出願中)を用いた受託解析サービスも始めます。また、ソニア・セラピューティクス社(東京)と共同開発した「集束超音波がん治療装置」は、大学発ベンチャー表彰2024「経済産業大臣賞」を支援企業として受賞しました。国内外の大学で臨床試験を行っており、治験装置の承認と量産に向けた準備を進めています。実用化すれば、患者の方に希望に満ちた未来を提供できると期待しています。

─昨秋、自己株式を取得されました。

平田 東証からの要請もあり、さまざまなことを鑑みて、約19万株を取得しました。資本効率の向上や株主への利益還元、M&Aなども含む将来的な経営環境の変化に柔軟に対応できると考えています。自動車関連、半導体関連共に受注状況は堅調で、25年の見通しも明るいとはいえ、国内外の状況も踏まえると先を読めないのが実情です。臨機応変に対応できる体制を整えておくことが重要だと思います。

平田機工の本社/熊本工場
平田機工の本社/熊本工場

概要

所在地 熊本市北区植木町一木111番地
【電話】096(272)0555
事業内容 各種生産システム、産業用ロボットおよび物流関連機器等の製造・販売
設立 昭和26年12月
資本金 26億3,396万円
従業員数 連結2,323人、単体1,419人
(2024年3月末時点)
関係会社 タイヘイテクノス(株)、(株)トリニティ、ヒラタフィールドエンジニアリング(株)ほか、海外に9社

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