「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
社会医療法人愛育会福田病院「女性の幸福に貢献する産婦人科医療めざす」理事長・福田稠氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部─分娩の状況や傾向を教えてください。
福田 昨年度の分娩件数は前年度を上回る3850件で、うち帝王切開を除く経膣分娩の半分以上が無痛分娩でした。米国やラマーズ法の発祥地フランスでも今や出産の約9割が無痛分娩です。日本ではまだ導入が進んでいませんが、近年妊婦さんは痛くないお産を望んでいます。こうした思いに応えるため産科麻酔医を育成し、安全性向上に力を注いでいます。5年ほど前に産科麻酔学の寄附講座を熊本大学病院に開設しました。現在、当院には麻酔科の指導医が4人、標榜医が2人おり、24時間対応が可能な体制を整えています。
─三つのクリニックを社会医療法人愛育会福田病院と法人合併されました。
福田 昨年4月、「まつばせレディースクリニック」「菊陽レディースクリニック」「ソフィアレディースクリニック水道町」を法人合併しました。元々姉妹関係でしたが、さらに連携を強化し、より安全で安心な産婦人科医療を提供しようと思いました。合同勉強会を開いて技術的なレベルを高めるとともに、より快適な環境を提供していきます。その一環で、まつばせレディースクリニックと菊陽レディースクリニックを増築・リニューアルしました。入院室を当院新館の「令和館」仕様にし、最上階にはオープンキッチンスタイルの展望レストランを新設しています。─産前・産後母子支援事業にも取り組まれていますね。
福田 精神疾患のある人や望まない妊娠をした人、若年者などに「特定妊婦」の支援をしています。さまざまな課題の背景には貧困があると強く感じています。子どもの利益を考えて実施している「特別養子縁組」のあっせんでは、養親(育ての親)のなり手が少なくなってきました。昔は地域社会に、課題のある子どもがいる家庭を温かく包み、支える機能がありました。それが薄れている現代、どのように支援すればいいのか。日本全体が新たな対応を求められる状況にあると思います。
─今年の計画や展望を教えてください。
福田 乳がんの医療に力を入れたいと考えています。女性が出産しない、出産しても件数が少ないとなれば、それだけ乳がんのリスクが高まります。検診を通じて乳がんの早期発見に貢献したいですね。また、まつばせ、菊陽の両クリニックでは出産後の心身の体調管理や育児をサポートする産後ケアに取り組みます。より幸せな妊娠・出産・子育てになるよう、産婦人科医療を通じて女性の幸福に貢献していきます。
概要
所在地 | 〒860-0004 熊本市中央区新町2丁目2-6 【電話】096(322)2995 |
---|---|
設立 | 明治40年5月 |
法人化 | 昭和59年12月 |
役員 | 理事長/福田 稠 病院長/河上祥一 |
従業員数 | 550人 |
関連施設 | まつばせレディースクリニック 菊陽レディースクリニック ソフィアレディースクリニック水道町 八代レディースクリニック 介護老人保健施設・孔子の里 介護老人福祉施設・泗水苑 |
ホームページ | https://www.fukuda-hp.or.jp/ |
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